サポートセンターに電話をした時にアナウンスされる「相談内容の番号ボタンを押してください」。自分に該当する番号がアナウンスされまで待たなければならず、時には聞き逃してしまって最初から聞き直すこともある。ファーウェイはビデオ通話を利用して、メニューを表示する仕組みを開発し、河北銀行との実証実験を始めていると快科技が報じた。
電話サポートの番号選択問題
サポートセンターに電話をした時によくある状況。「修理のご依頼は1を、補充品ご購入のお問合せは2を…その他のご依頼は0を押してください。もう一度聞くには#を押してください」というアナウンスが流れ、適切なボタンを押すと、オルゴールのような音楽が延々流れ、いつまで経ってもサポートセンターにつながらない。
サポートセンターに連絡をするということは、消費者に何らかの問題が起きているということで、その時点に対して企業に対する不満が溜まっている。さらにサポートセンターになかなかつながらずに不満が増幅される。このような問題が解消されるかもしれない。
電話をすると、スマホ画面にメニューが表示される
中国移動の河北移動と河北銀行、華為(ファーウェイ)は、5G通信を利用したサポートセンターの新しい仕組みの実証実験を200名のモニターに対して行なっている。
河北銀行のサポートセンターに電話をすると、ボタンの案内アナウンスではなく、顧客のファーウェイスマートフォンの画面にメニューが表示をされる。顧客はそのメニューから必要な項目をタップして選ぶだけだ。
実証実験では、サポートセンターにつながるまでの待ち時間が50%以上短縮をされた。
この実証実験では、メニューだけでなく、さまざまな試みが行われている。銀行に連絡をして、担当者を呼び出している間に担当者の名刺を表示したり、顧客との契約相談時に、契約書類などの画像を表示して、銀行スタッフが重要部分にマークをつけ、これをリアルタイムで顧客側に表示をするなどの試みが行われた。
ビデオトラックを利用してメニュー画面を送る
この機能は、ファーウェイのハーモニーOSの画面共有機能を利用している。ファーウェイのスマートフォンでは、ビデオ通話の映像トラックを利用して、画面を共有する機能がある。画像をリアルタイムで送信できるだけでなく、指でマークアップをするとそれもリアルタイムで共有される。
中国でもリモートワークが進んでいるが、リモート会議をする時に相手の顔を見るというのはさほど重要ではない。それよりは手軽に書類などを共有したいということからこの機能が開発され、ビジネスの場で活用され始めている。
河北移動、河北銀行との実証実験は、この機能をサポート業務に応用しようというものだ。
サポートセンターでは、よくある質問に対してはウェブページを表示する、AIアシスタントを利用するなどの試みが始まっていて、さらにこの画面共有を利用することで、サポートセンタースタッフの業務負担を減らし、同時に、顧客満足度を向上させることを期待している。