AI関連の最高峰カンファレンス「NeurlPS」の受理論文の著者の出身大学の調査で、2025年に中国が米国を抜いた。つまり、中国はAI人材の最大の供給国になったとThe Economistが報じた。
ChatGPT Image2.0の開発チームはアジア人?
画像生成AIとして、これまでとは一線を画す性能を示したChatGPT image2.0。その開発チームが、Xで投稿した画像が話題になっている。
リーダーのGabriel Goh氏が投稿した画像は、開発メンバーを漫画風イラストで表している。そのほぼ全員がアジア人に見え、メンバーは日本の風景の絵を描いている。米国の企業なのに、西洋人はほとんどいないのかと話題になった。

中国AIの強みは人材の豊富さ
昨2025年9月27日に、BPC(Bipartisan Policy Center、超党派政策センター)が主催したNVIDIAのジェンスン・フアンCEOとの対談で、フアンCEOは衝撃的な内容を述べた。
それは、「AIの分野で、米国が中国にリードを許す可能性があるか」という問いに対して、「The answer is yes. It is possible」(答えはイエスだ。その可能性はある)と回答したことだ。
そして、米国のトップAI研究者のうち、かなりの割合を中国出身者が占めていると語り、米国の強みは「世界中の優れた才能を惹きつける」ところにあるとした。つまり、米国にいる中国人研究者を排除するようなことは、米国の国益を損ない、中国を利することになるという内容だった。
フアンCEOの懸念が現実に
そのフアンCEOの懸念が現実のものになろうとしている。AI領域の世界最高峰のカンファレンス「NeurlPS」で受理された論文について、「エコノミスト」は600本の論文と4000名の著者の学歴を調査した。
その学歴で、学士号を取得した国別に整理をしてみると、2025年に、初めて中国が米国を抜いてトップに立った。これは学士号を取得した国別ランキングであるので、中国に分類されても中国で研究しているとは限らない。中国の大学を卒業して米国留学し、そのまま米国のAI企業で働いている人は多い。
さらに、著者の学士号取得大学のランキング上位10位のうち、9校までが中国の大学となった。清華大学だけで全体の4%を占め、米国のトップ大学であるMIT(マサチューセッツ工科大学)は1%にすぎなかった。

米国の政策により、帰国する中国人研究者
米国の研究機関に所属するNeurlPSの著者のうち35%は中国で学士号を取得している。つまり、中国人であると考えられる。これは米国の大学で学士号を取得した人とほぼ同じ割合だ。
つまり、米国のAI研究者のうち、1/3は中国人だということだ。また、中国人研究者の間に米国の政策に対する懸念も広がっている。米国留学をしても突然ビザが取り消されるような事態になり、落ち着いて研究に集中することができない。これにより、学部生のうちにNeurlPSに論文を発表をしたトップ研究者の国内留存率、つまり中国の大学院に進学したり、中国企業に就職する割合は2022年に58%だったが、2025年には68%にまで上昇している。また、海外の大学院に進学したNeurlPS中国人研究者のうち、中国に帰国したのは2019年には12%だったが、2025年には28%に上昇している。米国は貴重な人材供給源を失おうとしている。
米中のAI開発競争は、米国がリードし、それを中国が追いかける展開だが、この人材供給の問題が、米中逆転が実現するかどうかの鍵になりそうだ。
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