北京市地下鉄がWeChatミニプログラムを利用して、落とし物告知サービスを始めた。発見された落とし物は登録をされ、落とし主は自分で検索して見つけて、保管場所の駅に連絡をする。職員の業務負担も大きく軽減したと北京日報が報じた。
地下鉄の忘れ物にミニプログラムを活用
北京市地下鉄が、遺失物の告知にWeChatミニプログラムを活用して成果を上げている。
「北京市地下鉄サービス」ミニプログラム内に、遺失物のコーナーが設けられ、職員が発見した遺失物の一覧が表示される。遺失物の内容、発見場所、保管場所などが記載され、落とし物をした人はその中から自分の遺失物を検索などで探し、保管されている駅に取りにいくというものだ。
また、遺失物リストに登録されていない場合、失くしたと思われる場所、内容などを登録しておき、発見されると通知をもらうこともできる。
2000件のうち800件が持ち主に戻る
2022年6月25日からこのサービスはスタートし、2ヶ月で2000件の遺失物が登録され、約800件が持ち主の元に戻ることになった。
最も多いのは、傘、リュック、鍵、身分証など。発見場所で最も多いのは車内だが、最近では改札機の上というケースも多くなっている。スマートフォンや交通カードで、改札にかざす時に、いったん置くようにする人が結構いて、その人たちが置いたまま通り抜けてしまうのだという。
業務負担になっていた遺失物処理
このサービスが始まる前は、利用者も職員も遺失物の捜索には大きな手間がかかっていた。落とし物をした人は、電話番号010-96165の「北京地下鉄サービスホットライン96165」に電話をして、職員に落とし物の内容、場所などを伝える。その職員は落とし物が保管されていそうな駅に電話をして、該当の落とし物が保管されていないかどうかを確認する。多くの場合、駅で落としたのか車内で落としのかも不明なことが多い。また、車内の場合は終着駅で発見されることが多いが、乗った列車の終着駅がどこであるかは多くの乗客が覚えていない。さらに、親切な乗客が拾って途中の駅に届けてくれることもある。このような場合、保管場所がどこであるかわからないため、職員は5回から6回は問い合わせをしなければならないという。
ミニプログラムのサービスが始まって、このような作業負担が大きく軽減された。利用者もすぐに落とし物を見つけられるようになった。
アカウント不要で利用できるミニプログラム
このサービスをアプリやウェブなどではなく、ミニプログラムにしたことに意味がある。ミニプログラムはWeChatの中からアクセスできるミニサイズのアプリで、事前にインストールしておく必要はない。また、アカウントもWeChatのアカウントが流用されるため、アカウント登録のようなことは不要だ。
落とし物の問い合わせは、いつも利用するわけではないので、アプリを事前にインストールしておくような人はいない。しかし、いざ、落とし物をした時は、このミニプログラムをWeChatの中で検索をして起動するか、駅のポスターなどに掲示されている専用の二次元コードをスキャンすることで起動できる。WeChatのアカウントは通知をされるため、いたずらで落とし物を登録するようなことも避けられ、登録した人にメッセージで連絡をすることもできる。
他都市の地下鉄でも、落とし物告知のミニプログラムが導入されていっている。