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明日、vol. 074が発行になります。
今回は、微信小程序(WeChatミニプログラム)についてご紹介します。
というのは、WeChatミニプログラムに関して、EC業界に大きな動きがあったからです。アリババのサービス「タオバオ特価版」「閑魚」(シエンユー)の2つが、テンセントに対してWeChatミニプログラムの開設を申請しているという報道が流れました。アリババは特に否定するコメントを出していないので、確定事実だと思われます。それだけではなく、ウーラマ、盒馬集市、菜鳥裹裹、HelloBikeなどのアリババ系サービスもWeChatミニプログラム開設を検討しているという報道が流れています。
このメルマガをお読みのみなさんは、よくご存知だと思いますが、アリババとテンセントは中国テック業界で最大のライバル関係にあります。それがアリババはなぜライバルのミニプログラムを活用しようと考えたのでしょうか。
ミニプログラムは、WeChatが最初に始めましたが、現在ではアリババのアリペイもミニプログラムに対応しています。なぜ、アリペイのミニプログラムではなく、WeChatのミニプログラムなのでしょうか。
アリババがWeChatミニプログラムを活用すると、アリババにとってさまざまなデメリットも生じます。まず、WeChatミニプログラムで決済をするときは、WeChatペイでの決済が基本となります。アリババのサービスであるのに、アリペイではなく、WeChatペイで決済をされてしまうことになります。なぜ、敵に塩を送るようなことをするのでしょうか。
さらに問題なのは、生殺与奪の権をテンセントに握られてしまうことです。WeChatでは、他社サービスの宣伝行為は禁止をされています。場合によっては、アカウントが凍結されてしまうこともあります。もし、タオバオ特価版のミニプログラムが開設されて、ある人が「タオバオ特価版で、こんな面白い商品を見つけたよ!」とWeChatで商品リンクをつけて発言した場合、その頻度が多ければ、他社サービスの宣伝行為とみなされてアカウントが凍結されてしまう危険性もあります。
アリババのサービスがテンセントのWeChatミニプログラムを利用するということは、これからはアリババとテンセントの競争のあり方が大きく変わってくるということです。それはアリババとテンセントという2つのテックジャイアントが協力をすることになるのでしょうか。あるいは、ネットで言われているように、アリババはテンセント帝国の臣下となり、中国のテック業界はテンセントを中心に回っていくことになるのでしょうか。そして、なぜWeChatミニプログラムはそれほどの力をを持っているのでしょうか。
WeChatミニプログラムについては、「vol.007:ミニプログラム活用で新規顧客を獲得する店舗小売」でもご紹介していますが、なじみのない方もいらっしゃると思うので、ミニプログラムの簡単な復習をし、それからアリババはWeChatミニプログラム活用で何を狙っているのかをご紹介します。
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vol.072:中国の消費者保護はどうなっているのか。三包とテスラ問題、iPhone問題の関係
vol.073:個人商店を系列化する社区団購。主要テック企業が資本を投下し、競争が過熱をする理由
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