中華IT最新事情

中国を中心にしたアジアのテック最新事情

アップルウォッチがガラス面に吸着して取れなくなる怪現象。「試さないで」の忠告にもかかわらず拡散中

アップルウォッチがガラス面に吸着して取れなくなる現象が広がっている。故障することもあるため、「試さないで!」という投稿が多いにもかかわらず、拡散し続けていると都市快報が報じた。

 

アップルウォッチがガラスに張り付く怪現象

アップルウォッチが、中国版新幹線「高鉄」の窓に密着をして取れなくなるという奇妙な現象が各地で起きている。

ある人が動画つきでこの奇妙な現象をSNSに投稿した。無理やり剥がしてみたら、アップルウォッチが故障して何も表示されなくなってしまったという。「信じられないかもしれないけど、絶対に試さないで!」という投稿がバズると、「そんなバカな」と試す人が続出をして、アップルウォッチを故障させている。全員が「試さないで!」と投稿しているのに、試す人の輪が爆速で拡大をしている。

▲アップルウォッチが、高鉄の窓ガラスに吸着して、取れなくなる現象が起きている。

 

アップルではこの現象を把握していなかった

もちろん全員にこの奇妙な現象が起きるわけではない。都市快報の記者は、アップルのカスタマーサービスに連絡をして対処方法を問い合わせた。しかし、このような奇妙な現象が起きていることを把握していなかったようだ。

弊社のアップルウォッチに吸着機能は搭載されておりません。ガラス面と吸着することは起こり得ません。

さらに、記者が再度別の担当者に問い合わせした。

そのようなことは起こり得ませんが、万が一発生した場合は、アップルウォッチをゆっくりと回転させるようにずらして、剥がしてください。

となった。

▲無理に引き剥がそうとすると、保護フィルムが取れてしまうことも。

▲中には、アップルウォッチを壊してしまう人もいる。

 

なぜアップルウォッチはガラスにくっつくのか

ネット民の間で話題になったのは、なぜアップルウォッチがくっついてしまうのかという問題だ。くっついてしまう現象が起きる人の多くが、保護フィルムをつけている。この保護フィルムに粘着性があり、それでくっついてしまうのではないかと考える人が多かった。

しかし、その推測はすぐに否定された。なぜなら、保護フィルムの上からアップルウォッチを指で操作することがあり、その時に粘着する感覚はまったくないからだ。むしろ、サラサラ、スベスベしている。

▲「試さないで!」という警告があるのにも関わらず、SNSでは試す人が続出している。

 

ファンデルワールス力説が有力に

そこにファンデルワールス力が原因ではないかという人が現れた。いわゆる分子間力だ。平滑な面同士が接触をすると、分子が直接接触する状態になる。すると、分子間力が働いて面同士が引き寄せられるのだという。これは強力接着剤の接着力よりも大きな力を発揮すると説明した。

「そんなバカな。そんなミクロな現象が起きるはずがない」と反論する人も多かった。その人はこう説明した。

ヤモリがなぜ壁を登れるか、ご存じですか? あれは吸盤ではありません。ヤモリの足の裏には無数の微細毛が生えていて、これを平面にあてると、接着面積が非常に大きくなります。そして、毛と平面のファンデルワールス力で接着をし、ヤモリは壁を登ることができるのです。

この説明に多くの人が納得をした。記者は某大学の物理系の教授に取材をした。

あり得る話です。互いの表面が非常に滑らかであれば、表面分子間の距離が短くなり、ファンデルワールス力が相互作用することはあり得ます。

 

修理のプロは真空密着説を支持

記者は、さらにデジタル製品の修理情報を発信しているブロガー、波哥修理さんに取材した。

保護フィルムを貼っている人だけに起きている現象です。保護フィルムは表面はツルツルしていますが、落とした時の衝撃から守るために素材自体は弾力性があります。密着させた時に、空気が追い出されて真空状態ができ、吸盤のように密着するのではないでしょうか。

▲原理が明らかになると、今度はスマートフォンを窓に貼り付ける人も現れた。

 

アップルも状況を把握、湯気で剥がす方法を提案

この現象が広がると、アップルのカスタマーセンターも状況を把握したようだ。

もし、密着して取れなくなった場合は、お湯の入ったカップなどを下に置いて、湯気を下から密着面にあててください。しばらく待ってから、アップルウォッチを回転させるように動かすと外れる可能性があります。

この現象が起きているのは、保護フィルムを貼っている人に限られていることから、おそらくは真空状態により密着をし、密着してしまった場合は、湯気をあてることにより、保護フィルムが膨張をし、そこから水分が入り、取れるのだと思われる。

しかし、必ず外れるとは限らない。中にはアップルウォッチのディスプレイ部分が外れて壊してしまった人もいる。多くの人がさまざまな情報を投稿し、「絶対に試さないで!」と付け加えているのに、試す人がどんどん増えていっている。