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ドローンを活用するのはもはや常識。農業から公共、医療まで、60の活用事例

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今回は、ドローンの利用についてご紹介します。

 

16歳から24歳までの若年失業率が高止まりをしています。2024年11月の若年失業率は16.1%となり、ピークだった8月の18.8%から比べれば少し下がりましたが、まだまだ高い数字です。

不況の影響で企業が採用を絞り込んでいることもありますが、企業が求める人材とのミスマッチも大きく影響しています。2024年1月1日から「無人操縦航空機飛行管理暫定条例」が施行され、一定出力以上のドローンの飛行には免許を有したドローン操縦者の操縦または監督が義務づけられました。ドローンそのものも1台1台登録が必要となり、2024年6月段階で、中国全体で187.5万台が使われていることが判明しました(玩具ドローンは対象外です)。

一方、この操縦者免許を持っている人は22.5万人で、操縦者が最低でも100万人は不足していることも明らかになりました。そこで、各企業、地方政府では講習費用などを補助して免許取得者を支援する施策を始めています。

また、ドローン操縦者は月収3万元(約64万円)になり、高報酬の仕事です。当初は、仕事が見つからない若者がこの仕事に飛びついて、操縦者不足は短期間に解決されるのではないかと見られていました。

ところが、意外なほど応募が少なかったのです。20日ぐらいの講習で、数千元の講習料で免許が取得でき、月収3万元だったら悪くない仕事だと思うのですが、若者たちは興味を示しません。

ひとつは、免許を取得したらすぐに月収3万元というわけではないことです。ドローン操縦そのものは難しくなくても、例えば、高圧電線の鉄塔の検査などでは、操縦とは別の専門知識が必要になりますし、飛行の際の特別の注意事項もあります。多くの作業で、初心者がすぐにできるというわけではなく、3年ほどの間は熟練者のアシスタントとして働いて経験を積まなくてはなりません。この間の給料はだいたい月収5000元ほどなのです。安くはありませんが、高くもない、ブルーカラーとしては標準的な報酬です。しかし、若者たちはそれが嫌なようです。

また、ドローンサービス企業は大都市にあることが多いですが、出張がものすごく多いのも嫌われる原因になっています。全国から依頼をされて、そこに出かけて作業をします。そのため、土日が休みではなく、不定期休となります。日数的には一般の企業と同じ日数休めるようになっていますが、休みが一定しない、直前になるまでいつ休めるかが判明しないというところも嫌なようです。

 

そのため、特に地方都市ではドローン操縦者の確保に頭を悩ませているようです。そのような課題はありますが、条例が施行されたことにより、ドローン所有者の実名認証と操縦者の監視、操縦が義務づけられ、ドローンが使える場所が格段に広がりました。

これまではドローン利用の法的な位置づけが確定をしてなかったため、過剰な規制区域を設定するしかありませんでしたが、使用者の身分が把握できる仕組みができたことにより、これまでよりはるかに様々な場所でドローンが利用できるようになります。簡単に言えば、航空路に重なる地域(空港のそばなど)、軍事施設周辺、墜落した場合に被害が甚大になる都市中心部以外であれば、ドローンを使った作業が行えるようになります。

すでに軍事関係、公安関係は飛行しているドローンを把握し、未申請飛行をするドローンに電波干渉をし墜落させる体制を整えているようです。実際に、それを窺わせる事件が2024年12月8日に起こりました。この日、福建省泉州市で花火とドローンをコラボした大型のショーが開催されました。花火師は蔡国強で、2008年の北京五輪の花火を担当した花火アーティストです。特に2018年のイタリアのフィレンツェで発表した空中花園(City of Flowers in the Sky)は、世界で最も優れた花火芸術だと絶賛されました。

 

https://www.youtube.com/watch?v=Zcmc5-TIMZI

フィレンツェで空間展示された「空中花園」。4分20分以降のシーケンスは圧巻。

 

花火というよりも、意図的に煙が多く出る火薬調合をし、その煙を画材として、青空をキャンバスとして絵画を描いていくような独特の花火アートです。

この蔡国強が生まれ故郷の泉州市に戻って披露をした凱旋ショーで、1500台のドローンからも花火を発射するという新機軸のもので、著名な芸能人やアーティストも見物にきていました。

ところが、ショーの途中で、この1500台のドローンが次々と墜落するという事故が起きました。海上でドローンショーを行い、観客は陸地からそれを観覧するという仕組みであったため、ケガ人などは出ませんでしたが、大きな事故となりました。

当日は、風が強く、空中撮影をするドローンのバッテリーが早く消耗してしまいました。そこでスタッフは予備の撮影ドローンを飛ばしたのですが、手続き上のミスでこのドローンの申請をしていなかったのです。すると、泉州公安はすぐに未登録のドローンが飛行をしていること察知し、その方面に向けて、ドローン用の電波に干渉するジャミングを行いました。これにより、すべてのドローンが制御を失い、次々と墜落することになったのです。

 

この例は申請ミスですが、公安や民間航空局が、申請されていないドローンの飛行をすぐに察知し、撃墜できる体制が整ったことで、申請さえきちんとすればさまざまな場所でドローンが活用できるになったということになります。

2024年は低空経済元年であるということを、前回のメルマガでお伝えしましたが、それはeVTOLの型式認証の申請が相次いだこともありますが、ドローンを業務に本格利用できるようになった年でもあるからです。

 

ドローンの活用で、私たちに最も身近なのはドローンショーです。数百台から1000台以上の編隊ドローンを飛ばして、さまざまな文字や図形を夜空に描き出すというものです。最近では3D物体を描き出すこともできるようになっています。花火よりも広い範囲から見ることができるため、会場設営や群衆の整理の負担が減るため、地域イベントなどで盛んに使われるようになっています。また、文字やQRコードも描けるため、広告としても利用されるようになっています。

このイベント会社の大手は、「深圳大漠大智控技術」(ダーモーダー、https://www.dmduav.com/)で、これに「一飛智控」(イーフェイ、https://www.efy-tech.com/)、「深圳高巨創新」(ガオジュー、https://www.hg-fly.com/)、「広州億航智能」(イーハン、https://www.ehang.com/cn/)が続き、この4社で国内ドローンショーの90%以上のシェアを持っています。この4社が俗にドローンショーの「4つの龍」と呼ばれています。

ただし、競争は厳しいようで、数十分のショーで、1台あたりの費用は700元から800元が相場になっています。1000台を使うショーでは80万元(約1700万円)かかることになります。これでも、1996年頃の数百台が限界だった頃の1/10程度の価格になっているそうです。

ドローンショーでは、携帯電話ネットワークの他に、独自の通信ネットワークも設置しなければなりません。多くの観客が集まり、写真を撮り、SNSにあげるため、携帯電話ネットワークが遅延をする可能性があるからです。そこまでの手間を考えると、1700万円という費用も決して高くはないのかもしれません。ドローンショーは、巨大化をしてきたために、経験からくるノウハウが多くなり、4つの龍以外の企業が食い込むのは難しい状況になってきているということです。

 

ドローンは、このようなエンターテイメントだけではなく、さまざまな分野で活用されています。

それは次のような分野です。

1)農林水産牧畜業

2)採掘業

3)製造業

4)エネルギー関連プラント

5)建築業

6)交通運輸

7)ホテル飲食業

8)情報産業

9)小売業

10)科学技術

11)環境、公共

12)公共サービス

13)衛生、医療

14)文化、娯楽

 

今回は、このような分野での活用例を短くまとめて、数多くご紹介をしていきます。すべてに目を通すのは疲れてしまうと思いますので、斜め読みをして、ヒントになる活用事例を見つけていただければ幸いです。

今回は、ドローンの活用事例をご紹介します。

 

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今月、発行したのは、以下のメルマガです。

vol.262:2024年に話題になった消費関連の7つのキーワード。C2Mの傾向がますます深まっている

vol.263:低空経済はどこまで進んでいるのか。主役はeVTOL(電動垂直離着陸機)による旅客輸送と貨物輸送