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高齢者の食事問題、昼食難民問題を解決するコミュニティー食堂「海淀食堂」。官民協力の食堂が年内に60店オープン

北京市海淀区は、コミュニティー食堂「海淀食堂」というユニークな取り組みを行っている。2024年10月に7つの食堂が正式にオープンをし、年内に60ヶ所にまで増やす計画だと北京日報が報じた。

 

昼食難民が多い中関村のある北京市海淀区

人口312万人の北京市海淀区は、北京大学清華大学という中国のトップ校があり、さらには中関村にはテック企業が集中をする地域。しかし、発展をする前は郊外の住宅地であったため、高齢者の人口も多い。

この海淀区最大の問題が食事だ。高齢者には配食サービなども行っているが、人手不足で行き渡らず、コストもかかる。また、テック企業が集中をしているため、昼間には昼食難民が大量に発生する。そのためフードデリバリーが盛んに利用されるが、今度はデリバリースタッフの食事問題が発生をする。飲食店はあるものの、価格が高めであるため、デリバリースタッフの報酬ではなかなか手が出ない。結局、コンビニで買うか、キッチンカーなどを利用することになる。

▲公共のコミュニティー食堂「海淀食堂」。区民または区内の企業に勤めている人であれば誰でも利用ができる。

 

官民が協力して公共食堂を設置

この食事難民の問題を解決するために、海淀区政府は「海淀食堂」の設置を進めている。官民が協力することで、コミュニティー食堂を設置していくというものだ。運営は、飲食企業の「満座児」が行っているが、広く一般企業の協力も求めている。

民間企業には場所の提供をしてもらっている。ひとつは介護施設で、介護施設内の食堂を拡張して、コミュニティー食堂として海淀区民に開放をしてもらう。もうひとつは企業の社員食堂でこれも海淀区民に開放をしてもらう。さらに、大型スーパーには一部を食堂に改装して開放してもらう。また、海淀区所有の公共施設も食堂にする。

▲官民協力をして運営しているのが特徴。企業には場所を提供してもらう。

▲ある企業は社員食堂を海淀食堂として開放をした。昼時には社員を中心に混ざって区民も食事にやってくる。

 

ファストフードより安い海淀食堂

このような海淀食堂には海淀区政府からの補助金が出る。そのため、価格が安いのが特長で、昼食であれば10元前後で食事が取れる。客単価は20元前後だという。ファストフードでも30元ほどになってしまうので、安いということから多くの区民がやってきて賑わっている。

場所を提供する民間側にもメリットがある。スーパーの場合、海淀食堂が集客になる。お年寄りがやってきて食事をした後、買い物をしてくれる。社員食堂を開放した場合は、運営コストが下がるというメリットがある。社員食堂の利用者数が増えることにより、食材の仕入れコストが下がるからだ。

▲セルフサービス方式だが、レトルト食品は使っていないので、温かい料理を食べることができる。

▲多くの海淀食堂では、量り売りをしている。料理に限らず、すべて重さで料金を計算するため、レジの混雑が緩和できる。

▲高齢者にとっては、友人と待ち合わせをしたり、スタッフとおしゃべりをしたり、交流の場にもなっている。

 

年内に60店舗をオープン予定

最初の7つの海淀食堂は、区所有の施設に1軒、介護施設に1軒、スーパーに1軒、社員食堂に2軒、地域公共施設内に2軒が開設された。すでに開店準備に入っている海淀食堂もあり、年末までには60軒がオープンする予定だという。

コミュニティー食堂は、低価格で安心できる食事が取れるという住民サービスでもあるが、官民が協力をして実現をするという点でも注目をされている。この海淀食堂プロジェクトが成功するかどうか、他の地方政府も注目をし、視察の申し込みも相次いでいる。