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1位は今年もジャック・マー。30代、テック企業起業家の躍進が目立った富豪ランキング

今年も胡潤富豪ランキングが発表された。1位、2位は定位置のジャック・マーとポニー・マー。全体では、テック企業取締役のランクインと30代起業家の躍進が目立ったと創事記が報じた。

 

富豪1位はジャック・マー、2位はポニー・マー

今年も胡潤富豪ランキングが発表された。このランキングは、1999年から胡潤研究院による調査結果を発表しているもの。資産20億元(約310億円)以上の富豪がリストされ、今年は2300人以上がランクインした。

1位はアリババの創業者、馬雲(マー・ユイン、ジャック・マー)、2位はテンセントの創業者、馬化騰(マー・ホワタン、ポニー・マー)と昨年と同じ。しかし、資産総額は大きく伸ばしている。ジャック・マーは1日あたり3.4億元、ポニー・マーは1日あたり3.5億元を増やしたことになる。

アリババ傘下のアリペイ運営会社「アントフィナンシャル」の上場にストップがかかったが、これが上場をすれば、ジャック・マーの資産は再び大きく増加することになる。

3位は、ミネラルウォーター「農夫山泉」の販売で知られる養生堂の鐘睒睒。香港に上場をしたため、今年初登場でいきなり3位となった。

胡潤の統計によると、中国の10億ドル以上の資産を持つ企業家は1000名を超え、米国の600人を大きく抜いている。

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▲胡潤富豪ランキング上位10人。全体ではテック企業の関係者、30代の躍進が今年は目立った。

 

アリババ27人、シャオミ9人が富豪ランキングに

ランキングで目立つのがテック企業、ネット企業の関係者だった。ランキングに登場するアリババ関係者は27人、小米(シャオミ)関係者は9人、順豊(SF Express)関係者が9人、テンセント関係者が6人、美団(メイトワン)関係者が6人、ビリビリ関係者が3人入っている。

 

30代の起業家が躍進、20代も1人ランクイン

さらに目立ったのが、80后の躍進だった。80后とは1980年代生まれの現在30代。中国では、80后はそれまでの伝統的な価値観と全く異なる世代として、悪く言えばわがまま、よく言えば革新的な世代として見られている。

その80后が今年は256人もランクインし、昨年の100人から大きく伸びている。また、100億元以上の上位だけを見ても80后は25名いて、全体の4.5%と健闘をしている。

しかも、その多くが「ゼロスタート」の起業家だ。伝統的な富豪企業家には、親の会社を相続したケースが多い。しかし、80后起業家は、その多くが、自分で新しく起業をして、富豪になっている。

ソーシャルEC「拼多多」の黄(40歳)、Tik Tokで知られるバイトダンスの張一鳴(37歳)、ライドシェアの滴滴出行の程維(37歳)などだ。

90后(90年代生まれ、20代)も1人ランクインした。カフェチェーン「喜茶」(ヘイティー)の創業者、聶雲宸(29歳)だ。

胡潤富豪ランキングの平均年齢は55歳。世代交代が進み始めている。