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アリババの成功の秘密は、社員の49%が女性であること

アリババのジャック・マー会長は、2月7日、韓国ヨンセ大学で、パン・ギムン元国連事務総長との公開ディスカッションを行った。その席で、「アリババの成功は女性社員が49%もいたから」と発言し、聴衆から喝采を浴びたと、快科技が報じた。

 

社員の49%が女性で占められるアリババ

アリババは女性が多い企業だ。社員の49%が女性であり、管理職でも37%が女性だ。ジャック・マー会長は、韓国ヨンセ大学での公開ディスカッションで、「若い人を雇用すれば企業に希望がもたらされる。女性を雇用すれば企業に完美がもたらされる」と発言して、聴衆から大きな拍手喝采を浴びた。

現在、米国のIT企業では、男女比率や人種比率を、母集団人口の比率に近づけようとする努力がされている。それは極めて正しい考え方だが、現実はそれほど簡単ではない。なぜなら、人間は、同じ価値観を持った人だけが集まった集団を心地よく感じるからだ。昭和時代の日本企業がその典型で、男性のみで構成され、若い新入社員も中核となっている中高年の「おじさん的価値観」を持つ必要があった。このような集団の中で、女性が働く場合も、「おじさん的価値観」を身につける必要があった。

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▲韓国ヨンセ大学で公開ディスカッションを行ったアリババ、ジャック・マー会長。女性比率が高いことがアリババの成功の鍵だったと発言して、聴衆から喝采を浴びた。

 

多様な価値観を持つ集団にはデメリットも多い

多様な価値観を持つ集団で生産性を上げていくのはとても難しい。例えば、誰かが単純ミスをし、全員で1時間残業すればカバーできるという場合、古典的な日本企業では全員残業で乗り切ってしまう。それが最も簡単な解決法であり、同時に集団の絆を強めることができる。

しかし、さまざまな人種、年代層からなる多様な価値観を持つ集団ではそうはいかない。「なぜ関係のない私まで残業しなければならないのか?」という疑問が提出され、それに明快に答えなければならないのだ。「空気」「阿吽の呼吸」と言ったものは通用しない。しかも、本質的とは言えない、つまらないことでこのような摩擦が日常的に起きる。現場の生産性はなかなか上がらない。

それでもなぜ、母集団人口比に近づけ、多様な価値観を持つ集団にしようとするのか。異なる価値観が衝突することで、自社サービスや製品がより大きな市場にフィットするように鍛えられ、さらにはイノベーションを起こすことが可能になるからだ。デメリットは決して小さくないが、それ以上に大きなメリットがある。

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▲公開ディスカッションは、ジャック・マーとパン・ギムン元国連事務総長の二人で行われた。企業の社会的責任について意見交換が行われた。

 

女性を選ぶのではない。女性から選ばれる企業になる

質疑応答では、聴衆の中の大学生がこう質問をした。「アリババは、女性に仕事を提供するだけでなく、社内に女性差別のない雰囲気をつくる必要があるのではないですか?」。

ジャック・マーはこう答えた。「私たちは女性に仕事を提供したとは考えていません。むしろ、女性たちがアリババにチャンスをくれたのです。彼女たちは、アリババを信頼して入社することを選んでくれています。そこが他の企業と異なるところだと考えています」。

つまり、単純に女性比率を高めるだけでは意味がなく、女性から選ばれる企業にすることが成功の鍵だということだ。

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▲公開ディスカッションの聴衆の多くは、ヨンセ大学の学生だった。まだ、男性社会の空気が残る韓国にとって、ジャック・マーの発言は新鮮だった。

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