スマートフォンの次のデバイスとして注目されているのはスマートグラスだが、もうひとつAIピンも注目されている。音声を基本にAIを使うデバイスだ。中国では子ども用デバイスとして発売され、知育玩具の分野でヒット商品になっていると智東西が報じた。
次世代デバイスとして期待されるピン型、バッジ型
アップルが開発しているのではないかと、にわかに注目されているAI Pin。OpenAIも開発していることを公表している。バッジ型のAIデバイスで、胸などにつけておき、必要な時は音声で尋ねることで答えてくれるというものだ。カメラも搭載され、目の前のものを認識し、それについても答えてくれるという。
ディスプレイはないが、それだけに、スマートフォンと比べて、人とデバイスの距離を保つことができるのではないかと期待されている。実際に発売されるかどうかは不明なものの、次世代デバイスのひとつの形として注目が集まっている。

子ども用AIピンがヒット商品に
そのAIピンが、中国ではすでに発売され、しかもヒット商品になっている。それも子ども用デバイスとしてだ。
商品名は「Mooni M1」。今年2026年2月に発売されると、各ECプラットフォームの新製品ランキングの上位に表示された。このMoon M1を発売したのは、听力熊(TeeniAI、https://teeni.com)。元テンセントのサイエンティストであり、西湖大学AGIラボの責任者である張驰氏がチーフサイエンティストとして参加している企業だ。子ども用の知育玩具の世界にAIを持ち込んだ。


いつでもAIと会話ができる
Mooni M1は、首から下げるなどして、音声で対話をする子ども用デバイスだ。わからないことを音声で尋ねると何でも答えてくれる。背後にはアリババの大規模言語モデル「通義」が使われている。それだけではなく、英語など外国語の練習ができたり、童話や小説を読み上げてくれたり、子ども向けラジオ番組を放送してくれる。さらに、SIMが内蔵されモバイルネットワークに接続されているため、家族と通話ができ、位置情報は親のスマートフォンから見られるようになっている。
チャット型生成AIが使えるデバイスだが、子ども用にカスタマイズされている。たとえば、「僕が歌を歌うとみんなが笑うのはなぜ?」と相談すると、「それは君がすごく真剣に歌っているからだよ」と、子どもを傷つけるような答え方はしないように調整されている。

視覚映像を利用するPro版も登場
さらに、CES2026では、欧米向け製品であるMooni Proが大きな話題となった。こちらはカメラが付属し、映像を中心に、AIが子どもと世界を結びつけてくれるというものだ。
創業者の袁琳CEOには強い哲学がある。2人の子どもの母親であり、自分の子どもを見て、成長に役立つ玩具を与えたいと起業した。そのため、Mooniシリーズでは、ショート動画は見られない。中毒性の高いゲームもできない。また、使用時間の長さを追いかけず、使用の質を追求する。
袁琳CEOは講演で「私たちは子どもがデバイスに依存することは望んでいません。長期にわたって使ってもらうことを望んでいます」と述べた。


次世代デバイスは視覚主体なのか会話主体なのか
大人たちはますますAIやデバイスやショートムービーにのめり込むようになっている。AIピンのような“静かなデバイス”にはあまり興味を示さず、スマートグラスのような“賑やかなデバイス”にばかり注目が集まる。まるで24時間、AIの世界に浸りたいかのようだ。
しかし、子どもたちはすでにAIピンに興味を示し、ヒット商品になろうとしている。AIネイティブと呼ばれる世代が育とうとしている。
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