カーナビとしても使われる高徳地図がアップデートされ、死角から出てくる車両があると事前に警告してくれる機能が搭載された。ドライバーからは非常に好評で、すべてのカーナビに搭載してほしいという声があがっていると科技Niceが報じた。
死角になっている車両も警告してくれるナビ
地図アプリとして広く利用されているアリババ傘下の「高徳地図」(ガオダー)。車載版もあり、カーナビとしても使われている。また、車載ナビを使わず、運転中もスマートフォンの高徳地図をナビとして使っている人も多い。
その高徳地図が大幅にアップデートされた。今回のアップデートの中心は「死角になっている車両に対する警報」だ。
ブラインドの交差点で出てくる車両を事前に警告
例えば、信号のない交差点で、右側から車がきているが、人間の目には死角になっているため見えない。このような場合、高徳地図はアラートを発して「右側から車がきています。注意して運転してください」という音声案内をする。
全国には2000万ヶ所の信号のない交差点があり、以前から事故が起こりやすい場所になっていた。この見えない車を警告してくれる機能により、交通事故が大きく減るのではないかと期待されている。
死角になっているカーブの車両も警告してくれる
また、カーブの死角でもアラートを出してくれる。カーブであるのに、前の車を追い越そうとして反対車線に入り、対向車と正面衝突をしてしまうという事故がある。慎重な運転手であれば、カーブで追い越しはかけないが、短気な運転手は「対向車はこないだろう」と追い越しをかけてしまう。対向車と正面衝突になることが多く、大事故になりがちだ。
これも、アラートが鳴り「前方から車がきています。センターラインを越えないでください」という音声案内がある。
トラックで見えない対向車も事前に警告
同様に、前方に大型トラックがいて、速度が遅いために追い越しをかけたら、対向車がきて正面衝突をするという事故もある。これもアラートが鳴り「トラックの前方から車がきています。追い越しをしないでください」という音声案内がある。
高徳地図同士がコネクトされている
ナビゲーションがこのような人間の死角まで監視をして警告してくれるというのは、ナビゲーションの大きな進化と言える。高徳地図はどのようにして死角を監視しているのだろうか。
実は、このアラートが有効になるのは、相手も高徳地図を使っている場合なのだ。全車両の位置情報を監視をし、死角状態で接近している状況を発見すると、関係車両にアラート信号を送る。信号のない交差点では、こちらの車にもアラートが出るが、相手側の車にもアラートが出ている。
仕組みは単純だが、その効果は大きい。ただし、問題は高徳地図を使っていない車両に関しては監視ができないということだ。そのため、早くもネット民からは、すべてのナビゲーションシステムで位置情報を共有し、どのナビゲーションであっても死角アラートが出るようにしてほしいという声があがっている。