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スマホアプリで実現されたARナビ「高徳地図」。画像解析により、他車両や信号も認識

地図アプリ「高徳地図」のARナビが話題になっている。フロントカメラで前方の風景を撮影し、ルートを風景映像の上に重ねて表示するわかりやすさだけでなく、車両や歩行者、交通信号を画像解析により認識をし、さまざまな注意情報をドライバーに伝えてくれる。これがスマホ1つで実現できると汽車が報じた。

 

ルートが風景映像にオーバーラップ描画されるARナビ

アリババ系の地図アプリ「高徳地図」がARナビ機能を搭載した。高徳地図には車載版もあり、車載版では以前からARナビ機能が搭載されていた。それが、スマホアプリでも利用できるようになった。

スマホをスタンドなどに設置し、ARナビを起動すると、フロントカメラで風景を撮影し、その映像の上にオーバーラップするようにルートが描画される。

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▲実際のARナビ画面。左側にフロントカメラで撮影した前方風景が表示され、その上に進むべき車線がオーバーラップ表示される。GPSだけでなく、画像解析により車線を認識している。

 

画像解析により車両、信号機などを認識

ARナビは、ただルートを表示するだけではない。リアルタイム画像解析により、風景画像からさまざまな情報を読み取り、情報を伝えてくれる。

車線を認識し、その後の右左折に合わせて、どの車線を走るべきかを教えてくれる。また、交差点では、交通信号を認識し、赤信号などで侵入しようとすると、警告の音声が発せられる。

さらに、走行中の自動車やバイク、歩行者を認識し、距離が縮まると黄色の枠で注意を促し、さらに接近すると赤枠で警告し、音声でも知らせる。

夜間では、歩行者の認識は難しいが、自動車やバイクはテールランプなどの画像解析から認識ができ、目視しづらいバイクなどを警告してくれる。

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▲交通信号も画像解析により認識される。赤で進もうとすると、警告が発せられる。

 

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▲他車両も認識。同じ車線にあって、距離が近くなると、警告が発せられる。

 

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▲さらに距離が近いと警告レベルが上がる。

 

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▲ナビラインは風景の上に描画されるため、路地などを入らなければならい場合はわかりやすい。

 

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▲夜間であっても、テールランプなどの形状から、右端のバイクを認識し、接近した場合は警告をしてくれる。

 

取り付け位置はルームミラー下が最適

機能は素晴らしいが、あまりに画面情報が多く、注視をしてしまいかえって危険にならないのかと感じる人もいるだろう。阿汽車の配信主「哥」によると、慣れないうちは画面を注視してしまいがちだが、慣れてくると音声情報だけで運転できるようになり、注視時間は減る。

曲がる場所などを画面で確認したい場合も、従来のカーナビであれば現実の風景とカーナビに表示される地図情報を、頭の中で重ね合わせる必要があるが、ARナビであればすぐに理解することができるので、注視時間は減るという。

汽車では、ルームミラーの下に取り付け、前方とスマホの視線移動を少なくするようにすることを勧めている。

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▲高徳地図アプリでルート検索。ルームミラー下に取り付けて、ARナビを開始するという手順。ルートは、交通渋滞なども加味して検索される。赤は渋滞が起きている場所。

 

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スマホ画面を注視してしまい、かえって危なそうにも思えるが、取り付け位置を工夫すれば、ダッシュボードに設置したナビよりも注視時間は少なくなるという。