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実在したアリペイさん。アリペイ公式雑貨店は大繁盛に

アリペイの中国名である「支付宝」という名前の人が山東省に実在する。支付宝さんは当初アリババを権利侵害で訴えることも考えたが、ジャック・マーの提案により、「アリペイ公式雑貨店」を出すことにした。現在では、観光スポットになって大繁盛していると熱点指南が報じた。

 

山東省に実在をしたアリペイさん

アリババのスマートフォン決済「アリペイ」の中国名は、「支付宝」(ジーフーバオ)だ。支付は支払いの意味で、支払いに使う宝という意味だ。

山東省沂南県に、本名が「支付宝」という人がいる。1962年7月7日生まれで、姓が「支」、名前が「付宝」だ。当然、生まれた時に名付けられたので、後からアリババの「支付宝」が登場したことになる。

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▲湖南衛星テレビの取材を受ける支付宝さん。兄は支付順、弟は支付発、妹は支付花という名前だそうだ。

 

弁護士に相談して訴訟を考えたアリペイさん

支付宝さんは、子どもの頃はスマホ決済の支付宝のことなどもちろん知らなかった。支付宝は存在しなかったからだ。しかし、2012年頃から、自分の名前である「支付宝」のことをよく耳にするようになった。しまいには、支付宝は生活に必須のサービスとなり、支付宝の名前を聞かない日はないぐらいになった。

支付宝さんは、当初迷惑だと感じた。自分の名前を断りもなくサービス名に使っていいのだろうかとも思った。そこで弁護士に相談をしてみると、名前の権利が侵害されている上に、生活上もいろいろと迷惑を被っているので、アリババを訴えるべきだとアドバイスされた。

 

ジャック・マーと面会することになったアリペイさん

支付宝さんは、弁護士のアドバイスに従って、アリババに対し、事情を説明し、問題を解決するため、まずは話し合いをしたいと連絡をした。すると、アリババ側から、アリババの創業者であるジャック・マーが対応するという連絡がきて、杭州市までの旅費を送ってきた。それで支付宝さんは、ジャック・マーと面会をすることになった。

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▲ジャック・マーの提案により、アリペイ公式雑貨店を出店した支付宝さん。身分証の拡大写真を掲げて、本当に名前が支付宝であることをアピールしている。遠方からの観光客も訪れ、店は大繁盛だという。

 

ジャック・マーの賢い提案

面会の場で、ジャック・マーはとても親切で、支付宝さんを歓待してくれた。そして、ジャック・マーはひとつの提案をしてきた。それは、支付宝さんは山東省の地元で雑貨店を営んでいるので、そのお店の名前を「支付宝公式商店」にしてはどうかというのだ。アリババが支付宝さんの名前の権利を図らずも侵害してしまっているので、アリババは「支付宝公式商店」という名前を支付宝さんが使っても異論を唱えないというのだ。

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▲アリペイ公式雑貨店を出店した支付宝さん。偶然、名前が支付宝だったために、思わぬ幸運を得ることになった。

 

大繁盛したアリペイさんの「アリペイ公式雑貨店」

支付宝さんは、その話に乗って、お店の名前を支付宝公式商店に改名した。すると、中国中から面白がって商品を買いにくる観光客が訪れ、みな、支付宝さんとの写真を撮りたがる。

店は繁盛し、支付宝さんは調子に乗って、自分の身分証の拡大写真パネルを作り、写真を求める人には、このパネルと一緒に写るようにした。

湖南衛星テレビの「天天向上」という番組が支付宝さんを取材し、放映されると、支付宝公式商店は、沂南県では有名な雑貨店になった。売っている商品は、ごくありふれた雑貨屋だが、支付宝さん人気でお客が絶えないのだ。支付宝さんは、番組の中で、ジャック・マーの人柄を誉め、自分は幸せ者だと語っている。

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