データセンターは立地の選定が最大難関の問題になってきている。中国は、データセンターを海の中に沈めてしまうプロジェクトを進め、商用利用も始まっている。海中では故障率も低くなるとrefiが報じた。
データセンターは用地の選定が最大難関
データセンターをどこに設置するかは非常に頭の痛い問題だ。大量の電力を消費するため、豊富な電力が供給される場所でなければならない。また、大量の熱が出るために冷却に使う水が豊富な場所である必要がある。このような場所は、商業地や住宅地であることが多いが、今度は地域住民から騒音や電力と水の過剰消費を理由に建設反対に会う。
データセンターを海底に沈めてしまう
中国は、太陽光発電、水力発電が豊富な西部地区にデータセンターを建設する計画を進めている。これを東部地区の沿岸大都市から利用するため、東数西算工程と呼ばれている。しかし、太陽光の豊富な砂漠地帯では水の確保が問題となるなど、立地は限られてくる。
そこで試みられているのが、データセンターを海の中に沈めてしまうというものだ。

海中データセンターは故障が起きづらい
この海中データセンター(UDC=Underwater Data Center)に関しては、マイクロソフトが先鞭をつけた。2015年からプロジェクト・ナティックと呼ばれる検証実験を始めている。
スコットランドのオークニー諸島の海底、深さ36mのところに855台のサーバーを収容した巨大コンテナを鎮め、25ヶ月間にわたり稼働させた。
その結果、メンテナンスがほぼできないにも関わらず、故障をしたサーバーはわずか6台で、地上の同等のサーバーと比較して故障率は1/8というものだった。コンテナ内から酸素を排除して、窒素が充填してある。窒素環境の中では、サーバーが故障しづらいことが実証された。
また、海水を使って冷却ができるため、放熱関係に使う電力と水もほぼ不要になった。
しかし、2024年にこの検証実験が終了すると、マイクロソフトは商用化も新たな検証実験も行わないと発表した。海底に沈めたサーバーは、新たなものに交換するには海底から引き上げる必要があり、より性能の優れたサーバーが登場しても交換することが難しく、進歩の著しいデータセンターの世界では、アップデートが難しく、商用化が難しいという理由からだ。

中国で進む2つの海中データセンター
一方、中国では2つの海中データセンターが稼働している。ひとつは、海蘭雲データセンターテクノロジー(HiCloud Data Center Technology、https://www.hicloud.com.cn/)が上海港湾地区に設置しているものだ。洋上風力発電所の海底に設置され、その電力を利用する。すでに2000台規模のGPUサーバーが稼働している。
もうひとつは、海蘭信データ科技(Highlander、https://www.highlander.com.cn/)が海南省三亜市に設置しているもので、同じく洋上風力発電所に併設される形で、すでに商用稼働をしている。


モジュール方式で交換も可能
この2つのUDCはモジュール方式を採用している。1つの大きなデータセンターにするのではなく、カプセルモジュール方式にし、海上にはイカダが設置され、クレーンが移動できるようになっている。
故障が発生したり、アップグレードが必要になったら、モジュールを吊り上げて交換することで、メンテナンスとアップグレードを可能にしている。
中国では、太陽光、水力、風力の再生可能エネルギー発電が急増している。それぞれに適した形のデータセンターが建設され、発電大国であるだけでなく、演算立国になろうとしている。

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