「まぐまぐ!」でメルマガ「知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード」を発行しています。
明日、vol. 159が発行になります。
登録はこちらから。
https://www.mag2.com/m/0001690218.html
今回は、2023年に話題になりそうなスマートフォン関連のテクノロジーをご紹介します。
「スマホの進化は止まった」「スマホは成熟をした」「スティーブ・ジョブズ亡き後のiPhoneにはサプライズがない」という話はよく耳にします。確かにこの数年のスマホにはサプライズがなく、進化が止まってしまったかのように見えます。
しかし、それは「わかりやすい進化がなくなった」というだけのことにすぎません。スマホが登場した頃、ディスプレイの解像度は低く、カメラの解像度も低いものでした。肉眼で見ても、ジャギーがわかるほどでした。
例えば、2007年1月に発表された初代iPhoneのディスプレイは320×480ピクセルで、カメラ解像度は2メガピクセルでした。しかし、最新のiPhone14では、ディスプレイが1179×2532ピクセルとなり、カメラ解像度は12メガピクセルになっています。このような進化は目で見て感じることができるため、わかりやすいのです。
しかし、2010年台半ばからは、一見わかりづらくても、大きな進化が起きています。例えば、アップルは2017年からFaceIDを搭載しています。いわゆる顔認証です。これは顔の位置を検出する顔検出ではなく、顔データを使って本人認証をするのですから、相当に重たい演算が必要になります。このため、iPhone Xが採用したSoC「A11」にはNPU(Neural Porocessing Unit=ニューラルエンジン)が搭載されています。いわゆるディープラーニング演算に特化した演算ユニットで、FaceIDを実現するにはこのニューラルエンジンが必要でした。
FaceIDは、ユーザーから見たら、重たい演算が必要な機能には見えません。顔を見せればロック解除ができたり、決済の認証ができるだけだからです。しかし、その背後では膨大な演算が必要で、それを実現するためにSoCを大幅に進化させる必要があったのです。
さらに、写真をきれいに撮るということにもニューラルエンジンは使われています。現在のスマホはカメラレンズが複数ついているのがあたりまえになりました。これにより写真が格段に美しくなります。例えば、夜景を撮影した場合、光の量が少なすぎて、どうしても電気的なノイズが画像に乗ってしまいます。しかし、複数のカメラで同じものを複数枚撮影しているのですから、ノイズを判別して、その部分に関しては他の写真を参照し、ノイズのない情報を合成してやればノイズが消えます。これにも、ノイズの判別や自然な合成など膨大な演算が必要になります。
また、今のスマホは一眼レフカメラのように、被写体にピントを合わせて、背景をぼかすことが可能です。これも複数のカメラで同時に撮影することにより、立体視ができるので、被写体の距離を判断して、背景をぼかすという処理を行います。これにも膨大な演算が必要です。
このように、最近の進化は、気がつかない部分で進化をしているということが多くなっています。このような進化をさせるため、ハードウェアを進化させるというのが現在のスマホ進化の主流になっています。
今回は、今年2023年に起こる可能性のあるスマホの新しいテクノロジーについてご紹介します。
続きはメルマガでお読みいただけます。
毎週月曜日発行で、月額は税込み550円となりますが、最初の月は無料です。月の途中で購読登録をしても、その月のメルマガすべてが届きます。無料期間だけでもお試しください。
今月発行したのは、以下のメルマガです。
vol.157:中国のユニコーン企業の現状。第1世代ユニコーンはどれだけ生き残っているか
vol.158:アップルが進める脱中国化。最大の課題は熟練工の不足