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今回は、スマートフォンやPCのチップであるSoCについてご紹介します。
21世紀に入り、テクノロジーがものすごいスピードで進化するようになり、言葉づかいが難しくなっています。例えば、薄型テレビを見ると、ついつい私たちは「液晶テレビ」と呼んでしまいますが、実際はかなりの割合で有機ELテレビ(OLED)が増え始めているので、正しい言葉遣いではなくなっています。スマホの画面を指して「液晶画面」などと言ってしまいますが、最新モデルだと有機EL(OLED)を採用していることの方が多くなっています。
私もよくやってしまうのですが、カメラユニット(撮像素子)のことを「CCD」と呼んでしまいます。しかし、実際はCMOSが使われていることの方がはるかに多くなっています。以前は、CMOS撮像素子の画質があがらなかったのでCCDが主流の時期があり、その時にCCDがあたかも撮像素子の一般名詞であるかのように私の頭にインプットされてしまったようです。
同じように間違えてしまう人が多いのが、スマートフォンやタブレット、そして最近ではPCにも搭載されている演算チップのことをCPUと呼んでしまうことです。厳密にはSoC(システムオンチップ)と呼ぶべきですが、このSoC(ソックと読むのが一般的です)は、ものの名称というよりは、半導体の構造を表す技術的な名称で、近いものにシステムLSI、SiP(システムインパッケージ)などという言葉もあります。そのため、ものの名称としては落ち着きの悪い言葉であり、ただ単に「チップ」と呼ばれることも多くなっています。
しかし、今度はそうなると一般的すぎて、コントローラーチップ(USBやSSDの制御をする)とも紛らわしく、うまい呼び名がない状態です。ただ、スマホやタブレットの「チップ」をCPUと呼んでしまうのは、明らかな間違いになりますので、注意をしなければなりません。
では、CPUとSoCは具体的にどこが違うのか。そして、なぜ昔はCPUだったものがSoCに進化をしてきたのか。今回はこのあたりの事情をご紹介します。
チップを進化させてきたのは、日本、米国、台湾の半導体メーカーです。その中で、特に重要な働きをしたのが台湾の聯発科技(リエンファー、MediaTek、https://www.mediatek.jp)と台湾積体電路(TSMC、https://www.tsmc.com/japanese)の2社です。
この2社は非常に優秀で、台湾の半導体産業を国際舞台で戦える状態に押し上げただけでなく、2010年頃には、日本の半導体産業は明らかに台湾に遅れを取り、もはや追いつくことはできないという絶望感すら生まれました。では、なぜ、この2社はそれほど優秀なのでしょうか。
ここに中国の深センを中心にしたノーブランド携帯電話「山寨」携帯電話が深く関わっています。メディアテックはこの山寨機に深く関わることで鍛えられ、そこからSoCという新しい半導体の進化の道筋を見出していきます。さらに半導体製造技術に優れたTSMCが登場をして、台湾は米国と競い合う半導体製造国となりました(米国は半導体の設計のみを行うファブレス化が進んでいる)。TSMCは、ファーウェイの麒麟(Kirin)だけでなく、アップルのMシリーズを製造するようになっています。熊本県にTSMCが工場を建設することでも話題になっています。
さらに、中国の半導体メーカーも力をつけ始めてきています。まだまだ台湾のレベルにはまるで到達していませんが、低価格で汎用性の高いローコスト半導体の分野では存在感が出てきます。
半導体は、これから10年は、米、韓(サムスン)、台湾が最先端技術を競い合い、それを中国が追いかける展開になることは明らかです。
そこで、まず、SoCとは何かをご紹介し、台湾がどのようにして半導体産業を育てていったのかをご紹介します。半導体の話になると、技術用語や製造用語がたくさん登場して、わかりづらくなりがちですが、できるだけそのような難しく、細かい話は抜きにして、文系ビジネスマンの方にもざっくりと理解していただけることを目指します。
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