中国ファミリーマートが主要都市で、外売サービス「ウーラマ」と提携して、24時間宅配サービスを始めた。すでに夜間は、来店の売上よりも宅配売上の方が上回っていると南方plusが報じた。
配達代行が本質の外売サービス
中国で急速に普及した外売サービス。出前の配達サービスだが、一般の出前と異なるのは、提携レストランに料理を受け取りにいき、配達をしてくれる点だ。そのため、多くの料理店が外売に対応し、スマートフォンからほとんどの料理店の料理を出前注文できるようになった。以前は自分で買いにいく必要があったので、わずか10元(約170円)程度で持ってきてくれるのだから、誰もが便利に感じ、急速に普及をした。
ビジネス的にも、外売は将来性がある。料理店が運営するのではなく、独立したサービスであり、本質は「配達代行」だ。なので、料理に限定する必要はない。スーパー、コンビニの買い物代行、モバイルバッテリー、雨傘などのシェアリング商品(レンタル)、クリーニング、日用品などあらゆる「宅配」に対応することができる。
さまざまな商品を扱うことで、配達効率はあがっていくので、まだまだ成長空間が存分に残されている。
▲料理を配達してくれる外売サービス「ウーラマ」。現在は料理だけではなく、コンビニやスーパーの商品なども手がけるようになり、配達代行サービスとして生活に定着しつつある。
配達料85円で、コンビニの商品も
今年3月、ウーラマはファミリーマートと提携をして、北京、上海、杭州、成都、深圳、広州、東莞、蘇州、無錫の9都市で、コンビニの商品の24時間配送を始めた。20元(約340円)以上の購入で配送に対応し、配達料は5元(約85円)。最短30分で自宅に配達してくれる。
ファミリーマートは、2015年から上海でウーラマによる配達の試験運用を重ねていた。それが今年3月に9都市に正式展開し、5月は前月の2.5倍の注文を受けている。
▲ウーラマの配達員が注文された商品をファミリーマートで受け取り、配達する。すでに深夜帯では、来店売上よりも宅配売上の方が多いという。
深夜帯にも売上が立つようになった
ファミリーマートの担当責任者が南方plusの取材に応えた。「ウーラマと提携して大きく変わったのが、店舗の夜間の売り上げです」。夜9時から深夜2時の間のウーラマによる宅配売上は、全体の13.6%にもなり、同じ時間帯の来店客売上をはるかに超えている。「スーパーはだいたい10時頃に営業終了するので、そこからの売上が大きくなります。スーパーに比べて、コンビニは商品のピックアップも早いので、配送時間全体も短くなります」。
▲ファミリーマートは、外売サービス「ウーラマ」と提携をして、24時間宅配サービスを始めた。
売れるのは飲料とアイス、ポテチ
ウーラマによると、深夜に売れているのもの、水、コーラ、烏竜茶、アイス、ポテトチップだそうだ。
現在、決済システムの連携ができてなく、ファミリーマート側で商品をピックアップした後、ウーラマの配達員がレジで決済をしている。ウーラマとファミリーマートはこの決済システムを連携させる開発にすでに入っている。
ライバルである美団外売は国内系コンビニを中心に同様の配達サービスを始めている。中国では、コンビニの商品は24時間いつでも宅配してもらうことが当たり前になりそうだ。