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中国独身の日セールは、1日の売り上げがなんと2兆8700億円

成功するかどうか懸念の声もあった11月11日独身の日のセールだったが、終わってみればかつてないほどの大成功だった。特に消費者の出足が早く、朝方7時には一昨年の記録を塗り替える成功だったとPingWest品玩が報じた。

 

懸念の声も吹き飛ばした大成功

さまざまな懸念の声があった今年の「独身の日」。いわく「段ボール箱不足により発送ができない」。いわく「消費者はすでに飽きがきている」。いわく「莫大なクーポンを投入しているからで、利益は取れていない」などなど。しかし、そのような声に反して、今年の11月11日、独身の日は大成功に終わった。

アリババが運営するT-mallの1日の売上は、最終的に1682億元(約2兆8700億円)となり、過去の記録を大きく更新した。これは、日本のアマゾンの“年間”売上1.1兆円の2倍以上だ。それをたった1日で達成してしまった。

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▲T-mallの最終的な売上は1682億元という驚異の数字になった。昨年の最終売上は1207億元。

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最も売れた商品はウェットティッシュ

T-mallの過去の売上記録は、2015年の912億元だったが、今年はこれを朝7時22分54秒に達成してしまった。

この絶好調は、T-mallだけでなく、もうひとつの大手ECサイト「京東」でも、朝7時46分58秒に売上1000億元を突破。過去の記録を軽々と塗り替えた。

もっとも売れた商品は、ウェットティッシュ(トイレクリーナー、メイク落としなどを含む)。以下、クッキー、洗濯洗剤、携帯電話、スナック菓子となった。単価が大きかった商品は、スマートフォン、薄型テレビ、エアコン、ノートパソコン、洗濯機となった。

さらに、大きな特徴が、スマートフォンからの購入が全体の91%と、過去最高になったことだ。また、決済手段も完全にスマホ決済となり、T-mallでは、同じアリババが運営するアリペイによる決済回数は、11日のセール開始後のわずか5分22秒後に、25.6万回/秒というピークに達した。これは昨年のピーク値の2倍になる。

また、セール開始7分23秒後には、決済回数が1億回に到達した。

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▲近年では、独身の日という言い方はほとんどされなくなってしまった。本来は、1が並ぶ11月11日に、単身者が自分へのご褒美を買う日だった。今では「全球狂歓節」「購物狂歓節」という言い方が一般的になりつつある。「地球的規模で、買い物に、狂い、喜ぶお祭り」といった意味だ。

 

出足が早かった消費者たち

今回の独身の日の特徴は、とにかく消費者の出足が早かったことだ。11月11日午前0時から始まったセールは、深夜に購入が集中をし、朝方にはピークをすぎてしまった。これは、独身の日セールが、「商品価格が安くなるセール」ではなく、「事前にクーポンを大量配布することにより、低価格で購入できるセール」であることによるものだ。消費者に、「早く注文しないと在庫切れになる」「発送が遅くなり、手にするのが遅くなる」という心理が働き、セール開始後に焦って注文をしているのではないかと思われる。

兎にも角にも、今年のセールが例年以上の成功であったことは間違いない。来年はさらなる成功を目指して、ECサイト企業の新しい1年が始まる。

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