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段ボール箱が足りない!独身の日通販大セールに赤信号

いよいよ、中国ネット通販最大のお祭り「11月11日、独身の日」が近づいてきた。しかし、今年は赤信号が灯っている。なぜなら、ECサイトで購入した商品を梱包する段ボールが不足していて、出荷できない事態が生じるかもしれないと今日頭条が報じた。

 

1日で1.5兆円を売り上げる「独身の日」

11月11日は、中国全土が狂乱の中に包まれる日だ。ネット通販のプロモーションイベントであった「独身の日」は、「一人寂しい独身の男女は、この日ぐらい、頑張っている自分にご褒美を」というコンセプトで、アリババが2009年に始めたところ、大当たりをし、他のECサイトも追随し、中国ECサイト最大のお祭りとなった。昨年2016年、アリババ1社だけで、912億元(約1兆5600億円)を超えた。たった1日の売り上げだ。

 

1日10億件の宅配便用の段ボールが足りない!

しかし、今年はこの独身の日に赤信号が灯っている。なぜなら、中国の宅配便件数は年間313億件を超え、毎年5割ペースで増え、独身の日には10億件の宅配便が配送される。ところが、商品を梱包する段ボールの原材料紙が不足をし、この1年で価格が7割も上がっているのだ。

昨年、中国の段ボール原材料紙の消費量は4600万トンで、全世界の段ボール紙の1/3を中国が消費をしている。原材料紙が不足をして、昨年は1トン3000元(約5万1000円)だったものが、今年には5000元(約8万5000円)になっている。

価格が急騰している理由の最大のものは、消費量が多すぎるために不足しているということだが、もうひとつは政府の製紙業に対する規制が強まっていることがある。大気汚染などを抑制するため、製紙業に対しても廃棄、廃水の厳しい基準を定め、それに対応できない中小製紙業が廃業していることが大きい。大手であっても、製造コストがあがり、生産量も減ったため、段ボール不足が起きている。

また、中国は、日本などからダンボール原材料紙を毎年1700万トン輸入しているが、さまざまな理由により、税関が一部の輸入を制限しているため、輸入原材料紙も不足している。

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▲中国の宅配業者は、日本のように商品を丁寧に扱ったりしない。それでも商品の破損が少ないのは、過剰とも言える梱包をしているからだ。紙袋などでは、商品の破損率が一気に上がってしまう。

 

商品出荷が大幅に遅延するという最悪の事態も

ECサイトは、すでに独身の日セールに対して準備を整えているが、出荷部門は頭を抱えているという。商品が売れることは嬉しいが、あまりに売れすぎると、それを出荷するための梱包材が手に入らないのだ。すでに一部では、段ボール箱ではなく、紙袋での出荷が始まっているが、オペレーションが複雑になる、商品によっては破損するといった問題が起き、あまりうまくいっていない。出荷部門は、一度使用した段ボール箱の回収を進めているが、これも検査の手間が必要になったり、機械による自動梱包では対応できず、手作業になるなど、別のところでコストを押し上げてしまう。

今年の独身の日も、大量の商品が売れることは間違いないが、梱包材がないためにお届けが遅れるといった事態も起こりそうだ。

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