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人間のようにすたすたと歩く二足歩行ロボット。専門家もフェイク映像ではないかと疑うほどのでき

深圳のENGINEAIが公開した短い映像が世界中を驚かせた。人型ロボットSE01が歩いているだけの映像だが、これまでのロボットのように安定さを確かめながら足を置くのではなく、人間と同じようにすたすたと歩くものだと量子位が報じた。

 

人間のようにすたすたと歩くロボット

深圳の「衆撃機器人」(ENGINEAI、https://www.engineai.com.cn/)が開発した人型ロボット「SE01」が国内外で話題になった。その理由は、ENGINEAIが公開した短い映像だった。

SE01がスタッフらしき男性と深圳の街中を歩いているのだが、その歩き方が、従来の二足歩行ロボットのそれではなく、人の歩き方なのだ。裸のロボットのままだと、自分の脳の中にある映像データベースとのギャップが大きく、不思議な感覚にとらわれるが、このロボットに服を着せた歩行実験での映像を見ると、もう人間にしか見えなくなる。

▲世界を驚かせた映像。ロボットが、足の安定を確認しながらというロボット特有の歩き方ではなく、人間と同じようにスタスタと歩いている。

▲服を着せると、人間が入っているかのように見える。ここまで自然に歩くロボットはかつてなかった。



専門家もフェイク映像ではないかと疑う

NVIDIAのGEARラボ(Generalist Embodied Agent Research)の創設者、ジム・ファン氏は、この映像を見て、Xに思わず「これはほんとうなのか」と情報を求める投稿を行ったほどだ。ジム・ファン氏は、生成AI「Sora」による映像と本物の映像を見分けることは難しいと嘆いている。

翌日、確かな筋からの情報を確認し、ジム・ファン氏は再び驚くことになった。

NVIDIAのGEARラボの創設者、ジム・ファン氏は、この映像がフェイクである可能性を疑い、情報提供を求めた。翌日、信頼できる筋から本物の映像であることを確認したという。

 

創業1年で最初の製品を発表したENGINEAI

ENGINEAIは2023年10月に深圳で創業され、1年後の2024年10月にはSE01を発表、12月には量産を始めているというスピード開発をしている。コストは10万元以内で、最終的な製品価格は15万元(約310万円)程度になり、小規模の商用利用から始まることになるという。

身長は1.7m、航空機グレードのアルミ合金でできており、体重は55kg。歩行速度は2m/sec(7.2km/h)と速く、バッテリー持続時間は2時間、耐用年数は10年であるという。

プロセッサはNVIDIAインテルのチップを使い、360度レーザーレーダーを備え、障害物を感知し、自動的に回避し、最適経路を自律的に選択することができる。

▲当然ながらうまくいかないこともある。そのため、背中にハンドルがついていて、人間が支えることができるようになっている。

 

歩行技術に特化したロボット企業

ENGINEAIは、ロボットの歩行技術に特化した開発を行ってきた。下半身に関しては人間に近い運動能力を持ち、歩くだけでなく、ジャンプしたり、しゃがんだりすることもできる。

また、運動制御アルゴリズムオープンソース化されているため、拡張をすることも可能だ。

▲歩行技術に特化した開発を行っているため、下半身が安定をしている。スクワットを行ってもバランスを崩すことがない。

 

歩行するロボットにどのような用途があるのか

ENGINIEAIの創業者、趙同陽氏は、自動車メーカー「小鵬」(Xpeng)傘下のロボットメーカー「鵬行智能」の創業者でもある。ENGINIEAIのコアメンバーの多くは、鵬行智能のコアメンバーでもあった。そのため、まったくのスタートアップではなく、鵬行智能からのスピンアウト企業であるため、これだけスピーディーな開発が行えた。

ただし、歩行に強みを持つロボットが、社会の中でどのような需要があるのかは、これから探ることになる。いずれにしても、機械と人間の差は急速に埋まりつつあることは確かだ。