北京凌天智能装備が開発した消防ロボットが、長沙市消防隊を始めとして、各地の消防隊に導入され始めている。消火ホースを接続し、リモコン操作で放水を行うことで、消防士は後衛から安全に消火活動ができるようになると亦庄時報が報じた。
消防士に代わって現場に突入する消防ロボット
消防用ロボットを開発する北京凌天智能装備(リンティエン)は、創業20年になる。消防ロボット、災害救援ロボットなどを開発し、創業時には15人だった会社は130人にまで成長をした。
この消防ロボットは、仕組みは単純だ。放水ホースを接続し、ディーゼルエンジンで走り、リモコンで操作をすることができる。消防士が火災現場の中に入って放水をするのは危険であり、技術が必要になるが、消防ロボットを火災現場に接近させ放水をすることで、安全に効果的に消化活動ができることになる。
さらに、偵察カメラや温度センサー、有毒ガスセンサーなども備えられ、人間の消防士のさらに前線で活躍をする。
▲演習をする消防ロボット。消火ホースを接続し前進をし、リモコンで操作をする。消防士は安全な後衛から消火活動をすることができる。
当初は鉱山の安全設備を開発していた
この凌天智能は、2003年に中国鉱業大学の卒業生数人により創業された。創業時のメンバーで品質認証事業部の責任者である常善強は当時を振り返る。「あの頃は単純に考えていました。みんなが持っている技術を持ち寄って、鉱山の安全に寄与するような機械をつくりたいと考えていました」。
鉱山では「一通三防」が重要だとされている。通風、防塵、防ガス、防火だ。これに対応するため、環境センサーや救援などの機器の開発を始める。
2010年になると、このような鉱山で培った技術を火災や自然災害の領域にまで拡大を始めた。「消防士の訓練を見た時に、消防士は勇敢にも火災の中に突進をしていきます。でも、それは非常に危険が伴うことです。なぜロボットに代替させないのだろうという疑問が生まれました」。
長沙市消防隊に採用された消防ロボット
河北省のオイル貯蔵基地で火災が発生した時に、凌天智能の3台のロボットが活躍をした。現場は、地上に残骸が散乱し、煙に包まれ視界は効かず、油の有害なにおいが漂い、さらには新たに爆発も起きる。その中で、凌天智能の偵察ロボットが、火災の発生元に近づくことで、状況を把握することに貢献し、消防士の消火活動を支援した。
この一件で、消防士の安全に貢献するだけでなく、消火活動にも貢献できることが証明された。
「現在、私たちの消防ロボットは国内でも最先端レベルだと自負しています。リモートコントロールの到達距離も1.1kmに達しました。消火だけでなく、12種類の有毒、易燃性の気体を感知します。すでに長沙市消防隊に採用され、量産を始めています」。
凌天智能は、3年以内に北京証券取引所への上場を目指している。