上海市などの施設の男子トイレに、自動尿検査機が登場した。19.9元を支払うと、14項目の尿検査をしてくれるというものだ。しかし、検査精度について疑問の声もある。新民晩報では、精度に関して専門家を取材した。
用を足すついでに健康診断
上海市や広州市のショッピングモール、駅、空港などの男子トイレに、一風変わった小便器が現れている。上部にはディスプレイがあり、その前に立って用を足そうとすると「どのくらい健康診断を受けていませんか?」という広告が表示される。この小便器は、尿をサンプルにして14の値を測定してくれるという簡易健康診断機なのだ。
利用をする場合は、表示されるQRコードをスキャンして19.9元(約440円)を支払う必要がある。結果は、自動的に解析され、専用のミニプログラムに2分ほどで測定結果が表示される。



診断精度に対する疑問も
しかし、この診断機について、診断結果がどこまで信頼できるのかという疑問も寄せられている。ディスプレイには「北京の有名な三甲病院との共同プロジェクト」と表示される。三甲とは病院のランクづけのことで最上級を表す。しかし、「有名な三甲病院」と書かれているだけで、具体的な病院名が表示されていない。また、ネット民からは、前の人の尿で汚染をされて、正確な診断はできないのではないかという疑問もあげられた。
新民晩報では、この疑問を設置運営をしている北京少多科技に取材をした。

診断精度は90%以上と主張するメーカー
この診断機は、遇測(https://yucemec.com/html/product.html)が開発をしたもので、現在、上海市の10のショッピングモールを中心に設置を進めているものだという。40以上もの特許を取得した診断機であり、その正確さは90%以上だという。
また、測定が終わった後は、蒸留水で3回洗浄することになっていて、他人の尿による汚染は起きないという。
専門家は医療機器としては疑問が残るという見方
新民晩報は、専門家にも取材をした。同済病院検査科の田佳楽主任助手は、「娯楽要素の強い診断機として楽しむ分にはいいのではないでしょうか。ただし、病院などの正確な検査と比べると、あまり意味があるとは思えません」と言う。
「病院では、顕微鏡を使って尿の沈殿物を目視検査します。また、アルブミンなどの生化学検査も測定器を使い、数値で結果が出ます。この診断機が医療機器として利用できるかどうかについては検証をしておりません」。また、病院ではサンプル採取に使った器具は、使い捨てか大量の専用洗浄液で洗浄をする。蒸留水で3回洗浄というのは、正確な検査をするのは不十分だとも指摘をした。

スマートウォッチと同じ、あくまでも参考にすべきもの
また、新民晩報が国家薬品監督管理局に問い合わせをしたところ、この診断機が医療機器として申請、登録された事実はないことも判明をした。つまり、普通の便器と同じように商標登録をし、営業許可を取得すれば、自由に設置をして、サービスを提供することができる。当然ながら、この診断機による検査結果は、病院では問診の参考にすることはあっても、正式な診断結果として採用されることはない。
結局は、スマートウォッチのバイタル測定と同じで、誤差があることを承知の上、自身の参考にするものだ。多くの人が健康診断にはなかなか行きたがらないため、自分の健康を考えるきっかけにはなるかもしれない。
なお、新民晩報は、この診断機の利用料は19.9元だが、病院で尿検査を行なってもらうと、多くの病院で10元前後であると指摘している。
