中国でパナソニックが製造したテレビ1.5万台のリコールが実施された。パナソニックは世界中でリコールが続いており、中国でのブランドイメージは低下の一途をたどっていると証券日報が報じた。
中国で1.5万台のテレビをリコール
中国国家品質検査総局は、中国松下電器(中国パナソニック)の製造したテレビ1.5万台をリコール指定したと発表した。台座部分の樹脂材料の強度が不足していて、自重により台座部分が変形をし、テレビが傾き、転倒の危険性があるため。
中国パナソニックは、該当するテレビを回収し、台座部分を補強する修理を無料で行う。該当するテレビを使っている消費者に、使用をすぐに中止して、サポート窓口まで連絡をするよう呼びかけている。
▲中国でリコール対象となったパナソニックのスマートテレビ。台座部分の強度に問題があり、最悪転倒する。
中国人も心配する最近のパナソニック
危険度も高くなく、中国ではよくあるリコール措置で、珍しくもなんともない話なのだが、メディアでは大きな話題となった。なぜなら、世界中でパナソニックのリコールが続いているからだ。パナソニックは、今年創業100年を迎えるが、その記念すべき年に、パナソニックはどうしてしまったのか?と嘆きの声があがっている。
中国市場で、パナソニックは、日本製品の品質の高さを象徴する企業だった。そのため、中高年には日本の家電製品のファンが多い。しかし、品質問題が起き、中国市場での存在感が急速に低下している。
連続するリコール、中国市場でのシェアも低下
最近、パナソニックはノートPC「レッツノート」のバッテリー発火問題で、116万台をリコールした。これは2014年、2016年に続いて4回目のリコールとなる。
今年2月には、日本で97万台の電子レンジをリコールした。部品の品質に問題があり、2人の日本人が金属片が混入した食品を食べて口を怪我した。
中国市場でも、すでにパナソニック製品に対する信頼感は失われている。以前は、品質の高い家電と言えば「日本のパナソニック」という時期があったが、すでに冷蔵庫、エアコン市場ではシェアトップ10から外れ、洗濯機市場でも苦戦をしている。全方面で負け戦を展開している状態だ。
コスト削減が品質低下を招いているのか?
ある業界に詳しい人物は、中国経営網の取材に応えた。「経営が苦しくなると、品質の低い部品と原材料を使うことが、パナソニックのコスト削減方法のひとつになってしまっているのです」。
またある消費者は、体験を証券日報の取材で語った。「購入したノートPCがリコールになったので、サポート窓口に連絡をしましたが、担当者が不在という理由で連絡をもらえません。いまだに連絡をもらえていません。パナソニックは消費者の基本的権利や生命財産の安全を軽視していると感じました」。
中国家庭用電器商業協会の張剣峰服秘書長は、証券日報の取材に応えた。「企業が主体的にリコールをすることは悪いことではありませんが、パナソニックの場合、頻度と影響台数が多すぎます。製品の品質そのものに問題があると言わざるを得ません。パナソニックは、近年品質とサポートの質を上げる努力をしていますが、その効果はまだ出ているとは言えないでしょう」。
▲中国での温水便座の広告。「百年松下」をセールスポイントにしているが、中国の消費者は不安を感じている。
撤退、縮小を憶測するメディア。否定する中国パナソニック
パナソニックは、現在経営改革を行っており、企業向け製品=BtoB製品へ軸足を移そうとしている。そのため、家電の生産、販売、サポートの仕組みを低コストのものに再構築中だ。その最中に、このような問題が起きている。
中国のメディアの中には、パナソニックは中国市場から撤退または大幅縮小をするのではないかと観測する向きもあるが、中国パナソニックは強く否定をしている。
昨年4月、パナソニックは中国パナソニックのトップである総経理に初めて中国人を任命した。中国はパナソニックにとって、すでに米国に次ぐ大きな市場になっていて、2020年に中国市場で200億元の販売目標を立てている。
中国にまだ一定数いる日本家電の愛好者は、パナソニックが復活することを望んでいる。100年企業のパナソニックは正念場を迎えている。
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