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中国に登場した近未来テイストの睡眠カプセル

北京、上海、成都で睡眠カプセルが登場して話題になっていると、捜狐が報じた。日本のカプセルホテルにそっくりだが、違いは無人スマホで利用する点。空港や娯楽施設の空きスペースに置くことができ、今後拡大するのではないかと期待されている。

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▲広さは日本のカプセルホテルとほぼ同じ。USB、Wi-Fi完備。睡眠を促す青い蛍光灯が使用されている。

 

スマホでロック解除の無人睡眠カプセル

この睡眠カプセルは、カプセルホテルにそっくりで、広さは3平米ほど。常駐スタッフもいない。自分で、カプセルについたQRコードを専用アプリでスキャンすると、カプセルのロックが外れて中に入れるようになる。

カプセル横の棚に、ビニールパックされたブランケットの他、使い捨てのシーツと枕カバーなどが置いてあり、衛生面でも不安はない。さらに、USB充電口とWi-Fiが完備され、睡眠を促す青い蛍光灯が装備されている。内側からロックをすると、外から開けることはできず、内側からはスマートフォンで開けることができる。使用後には、自動的に紫外線消毒が行われる。

利用料金は30分6元(約100円)で、超過は1分0.2元となる。午前11時から午後2時までは、割増料金となり、30分10元、超過1分0.3元となる。

夜10時から朝8時まで利用した場合、120元(約1990円)となり、ビジネスホテルに泊まるよりも割安だ。さらに、昼間、ちょっと睡眠をとりたいというショート需要も狙っているという。

 

空きスペースに設置も可能

この睡眠カプセルの最大の特徴は、コンテナ式になっているため、空きスペースに簡単に設置ができるという点だ。一般的なホテルのシングル1室程度のスペース(10平米)に、6つの睡眠カプセルを設置することができる。

常駐スタッフは不要で、使用後に使用済みのシーツなどを回収交換し、清掃をする巡回スタッフだけで、サービスを提供することができる。

このため、カプセルホテルとして営業するよりも、空港や駅、大型娯楽施設の空きスペースに設置される需要を狙っているという。

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▲空きスペースに簡単に設置できるコンテナ構造になっている。空港、駅、娯楽施設などのほか、集合オフィスビルなどに置かれる例が多い。

 

問題はシャワーとトイレ

実際に使ってみた人が、すでにSNSに感想を投稿している。それによると、衛生面は問題ないと言っている人が多い。ただし、遮音性は十分ではなく、外の音はかなり聞こえるし、上下のカプセル内の音も聞こえ、それが気になったという人もいれば、逆に外の音が完全に遮断されると状況がわからずにかえって怖いという人もいた。

多くの利用者が問題にしたのが洗面所だ。トレイが近くにあるかどうかは、設置されている施設次第で、トイレまで遠く迷ってしまうケースもあったという。また、夜を過ごす場合、シャワーを浴びたい、顔を洗いたいということもあるが、そのような設備も、置かれている施設次第になってしまう。

それでも、大筋では歓迎されているようで、使用中は完全にロックされることから、女性の利用者も結構あるようだ。夜泊まるのに使うというよりも、夏の午後、数時間の昼寝をするために利用するという人が多いようだ。

中国にもホテルを営業するためには、安全面などの審査を受け、申請をしなければならない関係法規があるため、この睡眠カプセルは違法営業の無人ホテルではないかという指摘もある。そのため、宿泊よりも、短時間の睡眠需要を主体にし、集合オフィスビルの空きスペースへの設置を積極的に進めている。

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