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今回は、2022年の中国スマートフォン市場についてご紹介します。
2022年のスマホ市場の統計が出てきてみると、中国市場で実にめずらしい状況が起きていることがわかりました。なんと、1位のvivo(ビーボ)から2位のオナー、3位のアップル、4位のOPPOまで出荷台数がほぼ同じとなり、横並びになったのです。
1年前の2021年は、vivoとOPPOの2ブランドが頭抜けており、それをアップルと小米(シャオミ)が追いかける展開でした。
▲2021年、2022年の中国市場の出荷シェア。2022年は4ブランドが横並びになるという珍しい状況になった。canalysのデータより作成。
特にエントリーモデルに強みがあったvivoとOPPOの減少ぶりが激しく、その中でアップルが微増、オナーが急増をし、4ブランドが横並びになるという結果になりました。
ここで、誰もが知りたくなるのが、1)オナーはなぜ急増をしたのか。2)アップルはなぜ現状維持ができたのかということだと思います。この2つについては後ほど理由をご紹介したいと思います。
世界市場を見ても、スマホ市場の現状は厳しいものとなりました。順位こそ波乱は起きていないものの、各ブランドとも昨年からの減少となり、アップルだけが唯一増加をしました。
▲2022年の世界市場は、ほぼすべてのブランドが減少となった。その中でアップルだけが微増を達成した。canalysのデータより作成。
これを見るとわかるのは、ハイエンドモデルを発売しているサムスン、アップルは減少傾向が小さく、エントリーモデル中心の中国ブランドの落ち込みが大きくなっています。
つまり、ハイエンドモデルは以前と同じように売れていますが、エントリーモデルが売れなくなっているというのが世界的な傾向です。
その理由は明らかです。すでにスマホ市場は飽和をしたのです。現在、世界のスマホユーザーは66.5億人で、これは地球の人口の84.28%にも当たります。この数値は契約数であるため、実際のスマホユーザー割合はこれよりも少ない(先進国での普及率は100%を超えているのが一般的です)としても、もはや子どもをのぞいて世界中の全員が使っているといっても過言ではありません。
▲世界のスマートフォンユーザー数と伸び率。すでに成長が止まっている市場になっている。Statistaのデータより作成。
実際、スマホユーザーの伸び率は急速に下落をしています。スマホ市場が飽和をしていることは間違いありません。その中で、各スマホブランドは戦略を変えていく必要がありますが、はっきりと戦略を転換できたのはアップルのみです。これがアップルの強さとなっています。
飽和した市場での需要というのは買い替え需要になります。この買い替え需要は、想像以上に需要が変動しやすい特徴があります。例えば、今まで平均して2年ごとに新機種に買い替えをしていたものが3年に伸びると、それだけで販売台数は33%下落します。つまり、飽和市場では、買い換え期間をいかに短くするかというのが大きなテーマになってきます。
また、以前と同じように、流出(他ブランドへの乗り換え)を小さくし、流入(他ブランドからの乗り換え)を大きくするということも必要になります。中国ブランドは、この流入/流出の制御をするという、以前の成長市場のやり方からの転換という点で、アップルに遅れをとりました。この差が、世界市場でも中国市場でもアップルだけが増加をすると結果になりました。
では、アップルはどのようにして買換期間を短くしているのでしょうか。そして、中国市場でアップルとオナーが伸びた理由はどこにあるのでしょうか。今回は、2022年の中国スマホ市場を振り返ります。
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