毎年、子どもの日には、ファストフードチェーンなどが子ども用の玩具をつけたセットを発売し、過熱気味とも言える人気になっている。子どものために買うのではなく、大人が童心に帰るために買うからだと職業餐飲網が報じた。
大人が遊ぶマクドナルドのトランシーバー
中国では6月1日が子どもの日になっており、マクドナルドやKFCといったファストフードが、子ども向けの玩具をつけたセットを販売し、人気になっている。今年最も話題になった玩具セットは、マクドナルドのトランシーバーセットだ。通常のハンバーガーセットに38元をプラスすることで購入できる。あまりの人気に、用意された50万セットでは足りずに、20万セットが追加生産されることになった。ネットの個人取引サイトでは300元前後まで取引価格が上昇している。
飲食チェーンが続々と玩具を販売
さらに、今年は、ファストフードと玩具系のIPとのコラボが目立つようになった。ピザハットはサンリオと提携して、159元でサンリオ家族を発売。発売後、すぐに売り切れた。
また、火鍋チェーンの「海底撈」は、中国アニメ映画の「熊出没」と提携して、子どもセットを9.9元で提供。ケンタッキー、西貝、蘭湘子などのチェーンが次々と玩具つきセットを販売し、そのいずれもが好調になっている。
また、スターバックスも期間限定で、子ども用ミニカップを販売し、人気となった。
遊ぶのは大きなお友だち=大人たち
なぜ、少子化が進む中国で、子ども用玩具が爆発的な人気となるのか。購入をしているのは、ほとんどが「大きなお友だち」=大人なのだ。子どもの日になると、大人がこのような玩具セットを購入し、SNSにあげて共有をし、それが拡散し、爆発的人気となる。ファストフード側も、当初は子ども連れ層をねらったキャンペーンとして始めたが、今では多くのファストフードが20代、30代の大人をターゲットに子どもの日キャンペーンを行っている。
こどもの日は、大人が子どもに戻る日
ある調査によると、20代以上の単身者の74.9%が子どもの日に特別な行動をし、66.6%の人が自分がリラックスするために過ごすと回答している。また、55.5%の人が子ども時代を思い出し、子どもらしさを甦らせる日だと回答している。子どもの日になると、このような玩具だけでなく、大人がゴム飛びや羽蹴りという懐かしい遊びをする動画がSNSには大量に投稿される。
80后(80年代生まれ、40歳代)以下の世代は、一人っ子政策により、兄弟がいないことが多く、孤独を感じながら育ってきている。そのため、近所の友だちと遊んだ時間は、懐かしい貴重な思い出になっている。
6月1日の子どもの日は、子どものためだけでなく、大人が子どもに戻る日にもなっている。