9月から新学期が始まるため、8月と9月は文房具店の書き入れ時になる。文房具も進化をして、電動、ハイテク化は当たり前になり、ヒット商品が生まれやすい産業のひとつになっていると労働報が報じた。
ハイテク化される文房四宝
8月は、文房具店が盛況になる季節だ。9月から学校の新年度が始まるため、多くの親子連れが文房具を揃えにやってくる。
中国には「文房四宝」という言葉がある。筆、すずり、墨、紙の4つのことで、昔の知識人である文人が必須の道具としたものだ。この4つはこだわりの対象となり、優れた文房四宝を手に入れて使うことが高尚な趣味のひとつとなり、地方の支配者は優れた職人を集め、育て、技術を磨いた。
今日の文房具も同様で、さまざまなメーカーがユニークな文房具を開発し、現代の文房四宝が生まれている。
電動消しゴムやデスククリーナーが現代の文房四宝に
「私たちの時代は手を動かして勉強をしたが、今の子どもたちは電気で動かして勉強する」と親は嘆く。現在の文房四宝は、その多くが電動になっている。
10后(2010年代生まれ、小学生)の「新文房四宝」と呼ばれているものは、電動鉛筆削り、電動消しゴム、デスククリーナー、姿勢矯正器の4つだ。
電動消しゴムは、消しゴムのついたヘッドが回転をするため、あてるだけで消せるというもの。デスククリーナーは卓上掃除機で、消しゴムのカスを吸い取る。姿勢矯正器は、学習をするときに猫背になることで、近視になり、姿勢が悪くなることを心配する親が子どもに使わせるもの。
どのキャラクターが登場するからない盲盒シャープペン
しかし、さらに現代の世相を反映したり、テクノロジーを利用した「新・新文房四宝」とも呼べる文房具が登場している。
人気になっているのが、盲盒シャープペンだ。異なるキャラクターで飾られたシャープペンだが、箱を開けるまでどのキャラクターがついているかはわからない。当然ながらレアキャラも存在する。子どもたちは、自分が好きなキャラが出てくるまで買ってしまい、不要なキャラは友だちと交換をしたりする。
当然ながら、レアキャラ欲しさに何十本もシャープペンを買ってしまう子どもたちも現れて親の間で問題となった。これにより、学校指定の文房具店では、店主が一人の子どもに販売する数を制限するようになった。親は、「子どもに無駄遣いを我慢する習慣をつけるのに適している」と考え、学校指定文房具店で買うのであれば、盲盒シャープペンを買うお金を渡すようになっている。
ペン型電子辞書
中学生になると電子辞書が文房四宝のひとつとなる。受けているのは、旧式のキーボード入力のものではなく、ペン型で先端にスキャナーがついているタイプの電子辞書だ。教科書などでわからない単語が出てきたら、なぞるだけで、辞書が表示される。さらに、音声で発音も教えてくれる。
間違った問題はカードにして復習
また、ミャオミャオ機と呼ばれるデバイスも人気になっている。ミャオとはスキャンの意味と、猫の鳴き声がかかっている。仕組みとしてはプリンター付きのカメラだが、宿題などをしていて間違った問題を撮影すると、それを印刷してくれる。その問題を単語帳のように綴じておき、時間ができたときに再挑戦をするというものだ。こうして、できない問題をゼロにしていく感覚が、ゲームのようで人気の学習法になっている。
計算はチラシの裏ではなく、電子メモに
液晶ボードも人気だ。画面に専用ペンで描くと筆跡が残り、ボタンひとつでクリアできる液晶メモボードだ。計算をしたり、落書きをしたりするメモ帳として使われている。本格的な機能を搭載したE-Ink使用のタブレットはそれなりの価格になるが、ただ描けるだけの液晶メモボードは、安いものでは10元程度でも買える。
紙のノートの内容がリアルタイムで電子化
また、紙のノートに書いた内容がリアルタイムでデータ化される手帳も人気だ。専用のデジタルペンで、専用ノートに書いていくと、書いた内容が専用アプリ内にもリアルタイムで記録されるというもの。書いた内容を保存するだけでなく、OCRによるテキストデータ化も可能。さらに、アプリと併用することでペンの色を変えることもできる。
紙のノートには、薄いドットが印刷されていて、このドットをカメラで捉えることで、ノート内の座標を読み取っている。親の中には、小学生の間は、紙にペンで書くことが大切だと考える人も多く、このデジタルノートを子どもに買い与える人もいる。
アナログノートからもヒット商品が
また、非常にアナログな文房具でもヒットが生まれている。チェックノートと呼ばれるノートは10万冊以上が売れるヒットとなっている。
内容は非常に単純で、1日から31日までの1ヶ月の日付が表になっており、左にやるべきことを記入し、毎日それができたかどうか、チェックマークを入れていくというもの。「朝食を食べる」「8時以降は間食をしない」などの生活習慣の目標を記入し、それができたかどうかをチェックしていく。
子どもの文房具には、お金をケチらない親が多いため、子どもの数が減っても文房具はヒット商品が生まれやすい有望産業となっていて、次から次へとヒット商品が生まれている。