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大学入試会場に人民解放軍出動。電子戦車両初めての実戦投入でカンニングをキャッチ

大学入試会場に人民解放軍の車両が現れたことが話題になっている。電子戦車両で電波通信を解析する能力を持つため、カンニング対策ではないかと推測されている。この電子戦車両は初めての実戦投入になると第一軍情が報じた。

 

大学入試で問題となるカンニング対策

全国一斉に行われる大学入試共通試験「高考」(ガオカオ)。今年2024年は6月7日から9日までの3日間行われ、引き続き、12日から14日までは高校入試共通試験「中考」(ジョンカオ)が行われた。

この共通入試で毎年問題になるのがカンニングだ。典型的な手口は、受験者が試験問題をスマートグラスなどで撮影し、外部に待機しているスタッフが解答を作成し、受験者に送信をするというもの。

この手口を防止するために、各携帯電話キャリアでは、試験時間中、試験会場周辺の携帯電話の電波を遮断するということを行っている。

 

試験会場に人民解放軍出動

SNSには、このカンニング防止に人民解放軍まで出動したという報告があがり、話題になっている。

出動したのは、人民解放軍が新たに実践配備した電子戦設備で、微細な通信電波までキャッチをし、分析する能力を持っているという。人民解放軍の情報をSNSに投稿する際は、詳細な情報を記載すると法に触れる可能性もあるため、どの試験会場であるかまでは明記されていないが、北方の試験会場であることまでは記載をされている。

▲大学入試会場に実戦投入されて話題になった人民解放軍の電子戦車両。微細な電波でもキャッチをして内容を分析する能力を持っているという。

 

電子戦車両、初めての実戦投入

軍事に詳しいネット民によると、この車両は、軍事車両として有名な「東風・鉄甲」を改造したもので、これまで軍事パレードには何度も登場してきたが、実戦配備されるのは今回が初めてではないかという。つまり、この車両の最初の実戦が大学入試だったということになる。大学側からの要望もあり、解放軍の実戦演習にも適しているということからの出動になったのではないかと推測されている。

なお、大学入試でカンニングが発覚した場合、すべての科目の成績が0点になることはもちろん、関係をした人物の刑事責任が問われる。また、受験生は悪質さに応じて、1年から3年の高考受験資格が停止をされる(高考に年齢制限はない)。

▲電子戦車両についてはこれまで情報がほとんどなく、ベールに包まれていた。

▲この電子戦車両は、これまで軍事パレードなどには登場していた(右列後方)。しかし、実戦配備されるのは今回が初めてではないかという。