IoTの本格活用時代が始まっているが、問題は無数に設置されるIoT機器にどうやって電力とネット接続を供給するかだ。そこで、低電力で広範囲に無線ネットワークを提供するLoRaが注目されている。アリクラウドでは、このLoRaを飛行船から提供して、700平方キロをカバーする実験を始めたと科技天天侃が報じた。
低電力で半径10kmをカバーするLoRa
これからはIoTの時代になり、さまざまなIoT機器がさまざまな情報をセンシングする時代になっていくと言われている。しかし、問題は、そんなたくさんのIoT機器にどうやって電力とネット接続を供給するかという問題だ。
そこから、技術的にはLPWA(Low Power, Wide Area。低電力、広範囲)ネットワークが鍵になると言われていて、その中で現在最も有望視されているのが、LoRa(Long Range)規格だ。低電力で最大10kmほどの到達距離がある無線ネットワークだ。低電力であるため、各IoT機器のバッテリー寿命は10年という長時間にすることが可能だという。
▲アリクラウドが開発した天空物聯網。LoRa無線ネットワークのステーションを飛行船に搭載することで、東京23区をほぼ同じ面積をカバーする。
LoRaを飛行船に搭載して、町をまるごと圏内に
アリクラウドは、このLoRaを飛行船に搭載した。杭州市で開催されたアリババ開発者会議「2018杭州雲棲大会」では、この「天空物聯網」の公開実験が行われた。地上数十mに飛行船を浮かべることで、地上4万mから地下20mまでをカバーすることができ、地上に接する場所では半径10kmのエリアをカバーできるという。実際に会場の277カ所にセンサーが設置され、温度、湿度や通行人や通行車両の数を送信した。
▲杭州市で開催されたアリババ開発者会議で、公開実験が行われ、277個のIoT機器に無線通信によるネット回線を提供した。
東京23区と同じ面積をカバー
ステーションを飛行船に搭載することで、地上の半径15kmをカバーすることを目指しているという。これは約700平方キロをカバーすることになり、東京都23区の面積よりも広い。もしかすると、ひとつの都市にひとつの飛行船が浮かび、都市中のIoT機器をカバーする時代がやってくるかもしれない。
▲空中に浮かぶ天空物聯網の飛行船。将来、ひとつの町にひとつの飛行船が飛んで、町をまるごと圏内にする時代がやってくるかもしれない。
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