小学生から大人まで、粘菌を飼うのがブームになっている。ECでは簡単に飼育できるキットも多数販売されるようになっていると光明網が報じた。
石を飼う
若者の間でペットを飼うことが流行している。と言っても、犬や猫ではない。単身者にとってペットを飼うことは負担が大きすぎる。経済的な問題もあるが、世話の負担が大きく、旅行に行くこともできなくなり、夜遅くまで遊ぶこともできなくなる。
そこで奇妙なペットが流行をしだしている。最初に話題になったのは「石」だった。自分で形のいい石を拾ってきて、家をつくってあげ、名前をつけて、目をつけ、帽子を被せるなどして写真に撮り、SNSにあげる。
マンゴーの種を飼う
次に流行ったのがマンゴーの種だ。マンゴーの種を乾燥させ、ブラッシングをすると毛がふさふさになってくる。これには手間がかかるが、ふわふわになったマンゴーの種に名前をつけ、目をつけたり、毛を染めたりして可愛がる。
害のない遊びだと言えばそれまでだが、一部からは、若者の精神的な健康に問題が起きているのではないかと心配をする声もある。
そして、今、粘菌がブームに
そして、今、流行っているのが粘菌だ。日本では南方熊楠が研究をしたことで有名で、胞子によって繁殖する植物的な性質もありながら、移動をする動物的な性質もあり、飢餓状態になると集合体となって、神秘的な文様を描き出す。アメーバの一種だが、他の生命体とは大きく異なる性質を持っている。
これを飼うのが、若者の間で流行し、EC「淘宝網」(タオバオ)などでは飼育キットが多数販売され、よく売れている。元々は大学生たちが面白がって飼育を始めたが、その流行は小学生たちにも広がり、親に「粘菌を飼ってほしい」とせがむ小学生も増えている。
粘菌が逃げ出してパニック!
粘菌を飼育するのは難しくない。温度と湿度に気をつけ、暗所に置いておき、オートミールを置いておけば食べて成長する。飼育キットには飼育方法を解説したビデオへのリンクもついているので、誰でも簡単に飼うことができる。
ただし、問題は、気をつけないと粘菌は逃げ出すということだ。うっかりすると、粘菌の一部が逃げ出し、家の中の隅の方で成長してしまう。その姿は、粘菌を知らない人から見ると卒倒するような光景で、親たちは、子どもの健康に悪い影響がないのかを心配するようになっている。
そのような保護者の声が高まったことを受け、杭州市衛生健康委員会など、各地の衛生機関が「粘菌そのものは人体に悪い影響を与えないが、繁殖時には胞子を放出するため、吸い込むとアレルギー反応を起こす可能性がある」と注意喚起をする事態になっている。
教育関係者は、粘菌を飼育することは教育的な効果が大きいことから肯定をしており、保護者に理解を求めている。
タオバオなどでは粘菌の飼育セットは、ヒット商品とも言えるほど売れてきており、まだしばらくは粘菌の飼育ブームは続きそうだ。