中華IT最新事情

中国を中心にしたアジアのテック最新事情

中国に実在するヘンな建築物。中国人も「変すぎる!」と話題にする9つの建築物

中国人は、誰でも目立つことが大好きなので、建築物を建てる時にはやりすぎというぐらい個性を出そうとする。そのため、ヘンな建物を見物して回ることを趣味にしている人も増えている。そのような人々の中で話題になっている建築物を水生煙客が紹介した。

 

「飛天のキス」(重慶市武隆白馬山)

重慶市の名勝地、武隆白馬山に建設された展望施設「飛天のキス」は、ネットで話題になる定番の施設になっている。仙女と王子が手に持っているお皿のようなものは観覧席であり、最初は地上にあり、人が乗り込むことができる。動き出すと、男女の巨大人形が立ち上がり、観覧席は52m上空まであがり、二人がキスをすることにより、2つの観覧席が接近をする。

この地方の伝説に基づいた施設だが、ネットでは料理を運ぶウェイターとウェイトレスと呼ばれている。

▲飛天のキスの観覧席は、稼働すると地上52mまで上昇をし、2つの観覧席が接近をする。


www.youtube.com

▲実際に飛天のキスに乗った人の動画投稿。確かに楽しそうではある。

 

「双漁匯商業センター」(広西チワン族自治区柳州市)

この商業センターは、鯉の形をモチーフにしている。柳州市には鯉にまつわる民間伝承がさまざまあるからだ。この商業センターは川沿いにあり、鯉が川からあがってきた姿だとも言われる。しかし、ネットではクラインの壺のようであり、一度入ったら二度と外に出てこれないのではとも言われている。それならまだいいが、病院に入院した時に使うアレではないかという声もあがっている。

▲2匹の鯉を模したデザインだが、ネットではクラインの壷だとか、入院した時に使うアレだとか言われている。

 

上海蟹文化館」(江蘇省崑山市)

崑山市には、上海ガニの養殖で有名な陽澄湖があり、この文化館も陽澄湖のほとりに建設された。上海ガニが有名な地方なので、上海ガニを模した建物を建てるのはわかるが、あまりにリアルすぎると評判が悪い。実際の上海ガニを撮影し、それを100倍に拡大して、細部までリアルに仕上げた。足には絨毛まで生えている。小さな子どもを連れて行ったら、怖がって中に入らないのではないかとも言われる。せめて、蒸した後に赤くなって美味しそうになっている外観にしてくれればよかったのだが、崑山市としては生きている上海ガニの姿を多くの人に見せたかったようだ。理由は不明だが、建設が終わった後、開館をする前に撤去されてしまった。建設費は1360万元(約2.9億円)と言われる。

上海蟹文化館はあまりリアルすぎて怖いと評判。リアルな蟹の姿を見て欲しかったようだ。

▲足の部分は毛までリアルに再現されている。

 

「福禄寿天子ホテル」(河北省廊坊市)

道教で望まれる子宝、財産、長生きの3つの幸福を具現化した福星、禄星、寿星の福禄寿三星を模したホテル。日本では福禄寿は一人で表現されるが、中国では福禄寿三星として三人で表現される。

しかし、巨大すぎて怖い。子供の頃、旅行に連れて行ってもらってテンションが上がっていたのに、宿泊先がこのホテルで、怖くて泣きながら泊まったという経験をしている人も結構いるようだ。巨大すぎることもあるが、詳しい人によると、つくりが雑で、福禄寿の表現にいろいろと細かい間違いがあるという。寿星(日本で言う福禄寿)が手にしている桃には窓がついていて、そこがスイートルームになっている。しかし、一度は泊まってみたいと言う人は滅多にいない。

▲福禄寿ホテルは、そのあまりの巨大さに、泣き出してしまう子どもが多いという。

▲福禄寿が手にしている桃の部分がスイートルームになっている。しかし、泊まってみたいという人はあまり多くないようだ。

 

「仏跳墻火鍋城」(山東省済南市)

火鍋店がお客を呼び込もうと、裸の人形を建物に設置をした。この人形の意味は中国人ならよくわかる。仏跳墻という料理があるからだ。干しアワビ、干し貝柱、フカヒレなどさまざまな乾物を煮込んだスープで、とりわけ聚春園菜館のものが有名だった。あまりの香りのよさに、ある客が「仏も嗅げば禅の道を捨てて壁を飛び越えてもやってくる」という句を読み、そこから「仏跳墻」という名前になったという。

しかし、設置後すぐに市当局から「市の景観に影響を及ぼす」と撤去を命じられ、すぐに撤去することになってしまった。

▲仏跳墻火鍋城では、仏跳墻(仏も壁を乗り越える)という料理の宣伝のため、巨大人形を設置した。

▲仏跳墻火鍋城の人形は、設置後まもなく、市当局から撤去を命じられた。

 

五糧液」(四川省宜賓市)

五糧液は、茅台酒と並ぶ白酒の有名ブランド。宜賓市には五糧液の製造工場があり、見学もできることから観光施設としても人気がある。高さ74.5mの五糧液の瓶を模した建築物は、ギネスブックに世界最大の屋外広告として掲載されたこともある。宜賓市に旅行をした人は、五糧液工場に行き、五糧液を味わって帰ると言うのが定番になっている。

五糧液の建築物はそのまま広告塔になっている。内部は工場の変電施設になっており、実用的に使われている。

 

「ルイヴィトン中国本社」(上海市

通称「ブーツビル」と呼ばれるが、ルイヴィトンのLを模した建物。現在は売却をされてルイヴィトンは移転をしているが、今でもルイヴィトンビルと呼ばれている。

▲上海で有名だったルイヴィトンビル。ブーツの形を模している。

 

「新メディアセンター」(広西チワン族自治区南寧市)

中国の山水画を立体造形した意欲的なデザインの建築物だが、ネットでは何かに似ていると評判で、この新メディアセンターの画像や映像をアップロードする時には、プラットフォームに削除をされないように気をつけなければならないデリケートな物件とされている。

▲中国の山水画をイメージした新メディアセンター。何かに似ていると評判になっている。

▲新メディアセンターの動画をSNSに投稿するときは、規約に触れて削除されないように注意する必要があるともっぱらの評判だ。

 

「南京北駅」(江蘇省南京市)

高速鉄道の南京北駅の建設が始まろうとしているが、その駅舎のデザインが話題になっている。南京市によると、南京市の市花である梅の花をモチーフにしたというが、梅の花は花びらが5枚あるのに、このデザインでは4枚しかない。それよりも、別のものに似ていると言う意見が圧倒的だ。一部の人は絆創膏に似ており、絆創膏メーカーから広告料を取っているのではないかと勝手な推測をしている。さらに、もっと別のものに似ているという意見も多い。ネットでは「大雨が降っても、雨漏りしなくて安心だ」と言われている。

▲建設が予定される南京北駅の完成予想図。梅の花を模したものだが、絆創膏や女性が使う衛生用品に似ていると話題になっている。