世界初となる生成AIによる長編アニメーション映画「愚公移山」の制作発表会が行われた。公開は1年から2年後のことになる。すでにパイロット版が公開されていて、そのクオリティーに驚く声と、生成AIならではの不自然さを指摘する声があると捜狐が報じた。
世界初となる生成AIによるアニメーション映画「愚公移山」
2023年12月5日、世界で初めての生成AIによるアニメーション映画「愚公移山」の制作発表が北京市で行われた。90分ほどのアニメーション映画を生成AI、モーションキャプチャーなどの技術を駆使して制作するとしている。
すでにパイロット予告版が公開されており、多少荒さは目立つものの、美しいテクスチャで鑑賞に耐えると多くの人が感じている。
パイロット版では生成AI的な不自然さも残る
ただし、生成AIの限界がそのまま映画にも見えている部分がある。人の動きはゆっくりで限定的であり、腕や脚というパーツだけを動かした不自然さが残っている。また、多くの人の感じたのが目の表情だ。このパイロット版に登場する人物たちは目の表情がなく、どことなく虚ろに感じる。
もちろん、現状はまだパイロット版の段階であり、これから制作をする過程で修正をされていくことになるはずだ。
3Dアニメに挑戦した監督のリベンジ作
この映画を監督する鄭子龍氏は、総制作費は3080万元(約6.4億円)になり、1年はから2年で公開にこぎつけたいとしている。製作は「交互影業」で、鄭子龍監督が株主になっている製作会社だ。鄭子龍監督は北京華彩世嘉ネットワークテクノロジー、北京艾易美迅動画制作の創業者でもあり、北京映画学院のアニメーション学部のインタラクティブ映画研究センターの主任も務めている。製作にはこのようなリソースも活用されると見られる。
北京艾易美迅動画制作は、2013年に「究極の大冒険」という3Dアニメーション映画を製作し公開しているが、総制作費7000万元(約14.6億円)という大型予算をかけたものの、映画評価サイトの点数は5.3と振るわず、失敗をしている。鄭子龍氏のリベンジが果たせるかどうか、注目されている。