世界最大級のユニコーン「バイトダンス」の大企業化が学生の間で話題になっている。ある従業員が投稿した「バイトダンス従業員の4つのタイプ」がきっかけになっている。創造的な企業も大きくなれば官僚的になる。就活生の悩みはつきないと碼客人生が報じた。
働いて、食べて、寝る。バイトダンス生活
TikTokを運営するバイトダンスは、わずか10年で世界最大級のユニコーン企業にまで成長をした。当然ながら、従業員の働き方にはさまざまな伝説が生まれている。バイトダンスで働いたことのある、あるエンジニアは言う。「家に必要な家具はベッドだけでした。家に帰って、最初にやることはシャワーを浴びることで、それから寝る。帰ってから寝るまで10分もかかりません。起きたら着替えて出社する。だからベッド以外の家具があっても意味がないんです」。
バイトダンスの従業員とルームシェアをしたルームメイトはこう言う。「シェアを始めて2ヶ月経ちましたが、彼女の顔を見たことがありません。私が寝てから帰ってきて、私が起きる頃にはもう会社に行っていたからです」。
バイトダンサーの4類型
バイトダンスの従業員(バイトダンサーと呼ばれる)が、社内には4種類の人間がいるとSNSに投稿をした。
1)ハードワーカー
大学を卒業して新卒でバイトダンスに入っため、他の会社のことを知らず、バイトダンスの働き方が普通だと思っている。それが異常なことだとは思わず、健康を害することになっても、その原因が長時間労働にあるとすら思わない。
2)人生に仕事しかない人
恋人もなく、恋人を探す時間も機会もない人。人生の虚しさを給料とボーナスの額で満たすため、仕事に人生を賭けている。家族もなく、猛烈に働くため、同僚に大きなプレッシャーを与えることになっている。
3)ワークライフバランスを取る常識人
家族がいるため、家族のことや家の購入のことも考えなければならず、仕事だけに集中せず、生活と仕事のバランスを取ろうと努力をしている人。社内でトップのパフォーマンスを出すことはあきらめて、自分の領分の業務をしっかりとやろうと心がけている。
4)躺平族(寝そべり族)
他社で働いた経験のある人が多い。バイトダンスの働き方の異常さに気がつき、仕事以外の健康、自由、家族、恋人といったことを重視しようと考えを切り替える。できるだけ残業をせずに帰ろうとする。一般の企業であればまともな人だが、バイトダンスの中では異常な人になる。
議論を読んだバイトダンスでの働き方
この投稿が拡散をすると、一般の人、元バイトダンスの人、現在バイトダンスの人を巻き込んだ論争となった。一般の人は「つらすぎる」「異常だ」という意見が圧倒的に多い。しかし、バイトダンスに関わった人の多くは、それが企業文化であり、合わないなら転職すればいいだけの話だという。
しかし、関係者の中からも否定的な意見もある。ハードワーカーは最終的なゴールを理解してなく、ただ上司に褒められたいがためにハードワークをし、自分で酔いしれている。そこには創造的なものは何もないと言う。
悩む就活生たち
大学生たちは、就活で多く悩むようになっている。以前は、大きな企業に入り、高い給料をもらい、それにより豊かな人生を歩めると単純に考えられていた。しかし、今では高い給料とハードワークはセットで考えられるようになっている。その一方、大企業の中では熾烈な競争があり、地位を確保できる人はごく一部にすぎず、多くの者が脱落をしていかざるを得ない。人生を犠牲にしてハードワークをしても、報われないこともあるのだ。
であるなら、報酬は多少低くても、常識的な働き方で、創造的な仕事ができる企業に進んだ方がいいのではないか。
しかし、そこにもジレンマがある。バイトダンスは数年前ほどまでは、創造的な働き方ができるスタートアップ企業だったのだ。それが成長して大企業になることで、会議が増え、責任の分担を明確にするために仕事の自由度は奪われ、官僚的になっていく。創造的な企業に入って活躍をすれば、それがその企業の規模を大きくし、つまらない大企業に変えていってしまうことになる。大学生たちの就職先選びの悩みはつきない。