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わずか9年でグローバル企業に成長したバイトダンスの17の小さなストーリー(上)

わずか9年で、北京の知春路のマンションからグローバル企業に成長したバイトダンスの公式アカウント「「字節范児」(バイトダンサー)が、創業9周年を記念して、17の小さなストーリーを公開している。

 

わずか9年で、マンションの一室からグローバル企業に

北京市の知春路のマンションからスタートした字節跳動(ズージエティアオドン、バイトダンス)は、ニュースキュレーションアプリ「今日頭条」、ショートムービー「抖音」(ドウイン、TikTok)などの成功で、わずか9年で、世界200都市に270ヶ所のオフィスを持つまでに急成長した。

そのバイトダンスの、WeChat公式アカウント「字節范児」(バイトダンサー)が、創業から現在までの17の小さな物語を公開している。

 

最初のオフィス

2012年3月、バイトダンスが創業した時、最初のオフィスは北京市の知春路にあるマンション「錦秋家園」の一室だった。オフィスとしては狭く4部屋しかなかったが、そこに研究開発室、経理室、会議室、応接室などを作った。そして、キッチンが社員食堂となったため、仕事をしていると料理のにおいが漂ってくる。場所もないので、みなベランダに出て並んで、手で食器を持ったまま食べるという状況だった。

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▲バイトダンスの創業の地、北京市のマンション「錦秋家園」。この一室からバイトダンスが始まった。

 

最初の引っ越し

スタッフが3、40名となり、もう一室部屋を借りたが、それでも手狭になったため、2013年3月頃から、新しいオフィスを探した。2ヶ月後には、同じ知春路にある盈都ビルの10階に引っ越した。それ以来、バイトダンスは業務が増え、従業員が増えるたびに引っ越しをするのが常となった。現在は世界中にオフィスががあるが、本社は定めていない。どの拠点も同じように重要だからだ。

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▲現在のバイトダンス北京オフィス。世界200都市に270カ所のオフィスがある。

 

最初の事故

2012年4月7日、バイトダンスの初期のプロダクトである「ウェブ站点」で、ページ遷移ができなくなるという事故が起きた。バイトダンスは、監督機関にGoogle Docsや電子メールを使い、事故報告を行った。それ以降、事故報告プラットフォームを作り、事故が起きた場合にはすぐに報告をするようになっている。

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最初の社内イベント

2012年4月、バイトダンスの最初の社内イベントが行われた。内容は、みんなで上映中の喜劇映画「黄金大劫案」を観にいくことだった。会社が奨励したこともあって、多くの社員が家族も連れてきた。企業の成長には家族のサポートが重要で、社内イベントに参加してもらうことで、家族の方々にバイトダンスを理解してもらうというねらいががあった。それ以来、毎年家族デーを開催し、社員を支えてくれる家族の方々に感謝の意を表している。

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▲バイトダンス最初の社内イベントは、社員が家族を連れて、映画「黄金大劫案」を見にいくことだった。

 

最初の全員メール

2012年3月27日、バイトダンス社内で、最初の全社員一斉送信メールが送られた。発信者は創業者の張一鳴(ジャン・イーミン)だ。理想的な組織というのは活性が高くなければならず、それは個人の状態と科学的な手法により実現される。業務効率を高め、最大の成果をあげる弾力的な組織が重要だという内容だった。

 

最初の社内SNS

2016年5月22日、社内SNS「字節圏」がスタートした。最初のメッセージは、飲料水用のウォーターサーバーが故障をしていることを報告するものだった。

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次回に続きます。