スマホメーカーの小米(シャオミ)が嘘発見器の特許を申請した。「嘘を測定する方法、装置、モバイルデバイス、ストレージ」(申請番号CN115766927A)というもので、スマートフォンのカメラを利用して、対象の人が嘘をついているかどうかを判定するものだと找靚機玩数碼が報じた。
人間をプログラミングするNLP
この嘘発見器の原理は、「人は、嘘をつくとき、右上を見る傾向がある」ということを利用している。スマホ側の測定方法は単純で、対象人物の眼球の動きを測定し、瞳孔が右上に移動をしたら嘘をついているとみなす。
この「嘘をつくときに右上を見る」というのは俗説または都市伝説かというとそうでもない。心理学の一種で、1970年代にカリフォルニア大学で研究されたNLP=Neuro Linguistic Programing(神経言語プログラミング)に基づいている。人間は、同類の体験に一定の反応をするようになり、それが成長とともにプログラムされて、一定年齢で完成をするという考え方だ。それが無意識のクセのようになる。
NLPは、この無意識のクセを意識的に変えていくことで、再プログラミングすることが可能で、より前向きになったり、劣等感を解消することができるとしている。テニスプレイヤーのアンドレ・アガシがスランプになっていた時、このNLPを学んだメンタルトレーナーにより復調をしたことから注目されるようになった。
人は嘘をつく時は右上を見る
このNLPでは、眼球の動きにも意味があるとされる。脳が視覚イメージを生成しているときは眼球は上を向く。さらに左を向くときは過去の視覚イメージを思い出している時で、右を向くときは未知の視覚イメージを構築している(未来)時だという。つまり、嘘をつく時は、あり得ないイメージを構築するのだから、右上を見るということになる。
もちろん、NLPでもこの眼球の動き(Eye Accessing Ques)が絶対などとは断言していない。あくまでも、その傾向があるということにすぎない。
どのような用途を想定しているのかは不明
小米の特許は、この原理を利用している。小米がどこまで真剣にNLPに信頼度があると考えているのかはわからないが、スマホに搭載されれば、お遊びとしては楽しいアプリになる。現在は、申請中であり審査はこれからのことになるが、特許が認められ、スマホに搭載されるようになれば、話題にはなりそうだ。