中国のゲームスタジオが次々と「新怪談」と呼ばれるジャンルのゲームを発表している。新怪談とは現代都市を舞台にし、SFアクションの要素を加味した怪奇譚だ。今後、ゲームの大きなジャンルに育っていく可能性があると游戯葡萄が報じた。
続々と登場する「新怪談」ゲーム
このところ、中国のゲームスタジオが「新怪談」と呼ぶべきジャンルのゲームを相次いで発表している。
・「暗号:瞳」(聚量薈投文化伝媒、LCゲーム、https://tong.lc-game.com/)
・「未尽行夜/Endless Night」(暗物質、https://pjtt.aimuyi.top/)
・「新月同行」(燭薪網絡科技、https://xytx.firewick.net/)
・「異象回声/Echo of Vision」(蒼火遊戯、https://eov.qyzlgame.com/)
・「時序残響」(柴郡猫研究室、https://echonox.172tt.com/)
・「無期迷途」(MBCC、https://ptn.aisnogames.com/ja-JP/home/)
・「非匿名司令」(猫槍工作室、https://game.bilibili.com/fnmzl/)
・「重返未来:1999/Reverse 1999」(深藍互動網絡科技、https://re.bluepoch.com/home/)
▲「未尽行夜/Endless Night」(暗物質)
▲「新月同行」(燭薪網絡科技)
▲「異象回声/Echo of Vision」(蒼火遊戯)
▲「時序残響」(柴郡猫研究室)
https://www.youtube.com/channel/UCLEfujYSTDucvwT0mcTc7Jg
▲「無期迷途」(MBCC)
https://search.bilibili.com/all?keyword=非匿名指令
▲「非匿名司令」(猫槍工作室)
▲「重返未来:1999/Reverse 1999」(深藍互動網絡科技)
新しいジャンルが生まれる期待
このジャンルで大ヒットになったゲームが登場し、それに追従したというわけではなく、たまたまさまざまなゲームスタジオの企画がこの新怪談の方向に進んだという偶然の一致の面も大きい。しかし、だからこそ、今後のゲームの大きなジャンルに育っていくのではないかと期待されている。
現代都市を舞台にしたホラー「新怪談」
新怪談とは何か。新怪譚、New Weird(新しい不気味さ)とも呼ばれる新怪談は、サブカルの百科事典サイト「萌娘百科」では、次のように定義されている。
新怪談とは、ネットで多くの人によりリレー方式で書き継がれる創作のことで、これを素材とした二次創作も含まれます。従来の怪談小説と異なるのは、21世紀の都市の日常生活を舞台にしていることで、これにより恐怖が感じやすく、広がりやすくなり、現代の都市生活者に精神的な恐怖を与えるものです。
萌娘百科では、先駆的な作品として、「砂の女」(安部公房)、「流行り神」(日本一ソフトウェア)を挙げている。日本の都市伝説、都市怪談などが大きな影響を与えていることは間違いない。また、作品にもよるが、従来の人間関係の恐怖を具現化した伝統的な怪談要素に加えて、テクノロジーに対する恐怖も積極的に採用されている。そのため、ゲームの表面的な構成は、都市を舞台にしたSFアクションのように見えるものが多い。簡単に言えば、都市伝説+テクノロジー恐怖+SF=新怪談と言えるようだ。
地域性を打ち出した演出が恐怖を呼ぶ
また、リアリティを演出するために、地域性をうまく利用していることも特徴として挙げられる。舞台にはさまざまな都市の特徴的な建築物、街並みが登場をする。また、必要な場合は広東語などの方言も使われる。あえて字幕も表示されないため、北方の中国人にとっては聞いても意味がわからない。それがリアルで恐怖を増幅することになる。
新怪談は新しいゲームのジャンルとして定着するのだろうか。非常に期待をしている人もいれば、ゲームが飽和した結果にすぎないと言う人もいる。これまでゲームは、過去の歴史もの、未来の都市や宇宙を舞台にしてきて、そのような舞台はすでに使い古されてしまっている。そのため、現代の都市を舞台にしたにすぎないという人もいる。いずれにしても、今までになかったゲームが大量に登場してくることだけは確かだ。