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学生たちはなぜQQが好きなのか。若者に好まれるSNSの要素とは?

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今回は、テンセントのSNS「QQ」についてご紹介します。

 

騰訊(タンシュン、Tencent)が運営するQQ(キューキュー)については、このメルマガでも本格的には取り上げてきませんでしたし、中国でのマーケティングやプロモーションを語るときも、重要とされるのは「微信」(ウェイシン、WeChat)、「抖音」(ドウイン)、「小紅書」(シャオオンシュー、RED)が中心で、この他に「微博」(ウェイボー)や「ビリビリ」が登場するくらいだと思います。QQがあまり取り上げられないのは、時代の役割を終えたSNSだからです。

QQは、2000年11月にリリース(四半世紀前です)され、ピーク時のアカウント数は10億件を突破するという大成功を収めました。テンセントの今日の主要なビジネスは、すべてこのQQに源流があります。

しかし、スマートフォン時代になると、2011年1月にテンセントはSNS「WeChat」をリリースします。QQがあるのに、まったく新しいSNSをリリースするという大胆な策でした。このあたりの経緯は、「vol.146:WeChat以前の中国SNSの興亡史。WeChatはなぜここまで強いのか?」でご紹介しています。

その後、WeChatの利用者数は増えていき、2023年上半期の平均月間アクティブユーザー数(MAU)は13.27億人になっています(海外利用者を含む)。中国人であれば全員が使っている国民インフラとなりました。

そのため、昔のSNSであるQQは利用者数が次第に減少して、いつかは消えるものだと思われていました。ところがコロナ禍が明けてみると、増えてこそいないものの、下げ止まりをしています。テンセントは、年度報告書でQQやWeChatのMAUを公開していますが、そのデータで最も遡れる2012年H1のQQのMAUは8.254億人でした。現在は6億人を切るところまで減っています。ところが、ここで下げ止まっているのです。しかも、少なくなったとはいえ、6億人近い利用者がいるSNSです。プロモーションメディアとして無視することはできません。

 

しかも、後ほど詳しくご紹介しますが、若い世代が使っている傾向にあるのです。社会人になると、仕事の関係もあり、QQを卒業してWeChatを使うようになります。普通は、若い世代も最初からWeChatを使う傾向が進み、QQは次第に忘れられていくというパターンなのですが、高校生、大学生がQQを好むため、若い世代の流入がけっこうあるのです。これで、卒業する流出量と新たに入る流入量がバランスをして、利用者数が下げ止まるようになっています。

そのため、QQに広告を出しているのは、若い人向けのブランドが中心になっています。日本でも知られているブランドでは、化粧品の「MAC」「ラ・メール」、スマホの「vivo」、シュガーレスガムの「5 Gum」、スニーカーの「VANS」などです。中国の若者にリーチするプロモーションを行うのであれば、QQも選択肢のひとつに入れる必要があるかもしれません。

 

今回は、QQになぜ若者が流入し、利用者数が下げ止まっているのか、その理由をご紹介します。答えを先に言うと、若者に好まれる設計を積極的に取り入れているからです。QQの運営チームは、若者が好むポイントをよくわかっていて、意識的に好まれるものは残し、新たな機能追加を行っています。QQのどのような点が若者に好まれているのかがわかると、「若者に好まれるSNSとはどのようなものか」がわかってきます。

今回は、QQのプロモーションメディアの価値を再認識していただくことと、若者に好まれるSNSの条件を発見することが目的になります。若者に好まれるQQについてご紹介をします。

 

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今月、発行したのは、以下のメルマガです。

vol.218:東南アジアで広まりライブコマース。TikTok Shoppingの東南アジアでの現在

vol.219:潜在能力は高いのに、成長ができない中国経済。その原因と処方箋。清華大学の論文を読む