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子ども用スマートウォッチ「小天才」の強み。OPPO、vivoなどの歩歩高系とは何か

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今回は、子ども用のスマートウオッチ「小天才」についてご紹介します。

 

読者の中には、小さなお子さんがいらっしゃる方もいるかと思います。その親の悩みとして、「何歳からスマートフォンを使わせればいいのか?」という問題があります。今の時代、スマホは仕事の上でも生活の上でも必須のツールになっています。それを考えれば、早いうちから使わせて、慣れさせたほうがいいということになります。

しかし、スマホにはデメリットもあります。いちばん大きいのは、SNSなどで未知の人とつながることにより、犯罪や事故に巻き込まれないかという心配です。また、SNSリテラシーがない段階で使い、悪気はなくてもSNSいじめをしたり、あるいはされたりということも心配です。さらに、小さいうちからディスプレイを使わせると目の健康によくないのではないかという不安もあります。ゲームに夢中になって、生活を乱してしまわないかという心配もあります。

 

では、世間では何歳ぐらいからスマホを使わせているのでしょうか。「令和4年度青少年のインターネット利用環境実態調査」(内閣府https://www8.cao.go.jp/youth/youth-harm/chousa/net-jittai_list.html)にデータが出ています。

▲0歳から9歳までの契約をしたスマートフォンの利用率。7歳で30%と意外に高い。

▲10歳から17歳までの契約をしているスマートフォン保有率。高校入学時にほぼ100%になる。

 

ちょっと驚いたのですが、2歳で20%を超えてしまいます。これは「契約をしたスマートフォン」です。これとは別に「契約をしていないスマートフォン」という項目もあり、それであればお古をおもちゃ代わりに与えるということはわからないではありません。しかし、電話がかけられるスマホを20%の家庭が子どもに与えているのです。親が使っているスマホを触らせているということかもしれません。あるいは、家族や登録した人としか通話/メッセージができないキッズケータイかもしれません(このような内訳は統計データに記載されていません)。

そして、10歳以上は男女別のデータがあります。小学校高学年の間、利用率は緩やかに上がり、中学校1年生で大きく上がります。そして、高校1年生でほぼ100%に達します。

想像になりますが、小学校高学年で塾や習い事に通い始める時がスマホを与える最初のチャンスで、中学入学が第2のチャンス、そして高校入学時にはほぼ全員が買い与えるということになりそうです。

 

子どもにスマホを買い与えるには、親は二律背反する難問を解決しなければなりません。ひとつは「デジタルデバイスに触れさせるのは早ければ早いほどいい」という問題です。もうひとつは「リテラシーが身についていないうちに与えてしまうと、ネットでいろいろな人と繋がってしまい、犯罪に巻き込まれたり、つらい思いをすることになるのではないか」「ゲームなどに夢中になって、健全な成長の妨げになるのではないか」で、これを考えると、ある程度成長してから買い与えるということになります。

そこで注目されるのがキッズケータイです。家族や登録した人としか通話やメッセージ交換ができない、GPSがついており親は子どもの居どころがわかる、写真が交換できるなどの機能を基本にしたものです。

中国にもキッズケータイに相当するスマホはありますが、圧倒的に人気があるのがスマートウオッチです。スマートウオッチといっても、SIMを内蔵していて、通話、メッセージを送ることができ、写真撮影やビデオ通話もできるというものです。もちろん、GPSや中国の衛星測位システム「北斗」(ベイドウ)に対応していて、親のスマホに子どもの位置事情が表示できるようになります。

このキッズ用スマートウオッチの分野では、「小天才」(シャオティエンツァイ)というブランドが圧倒的なシェアを持っています。そこに華為(ファーウェイ)、小米(シャオミ)が続いています。

この小天才で見るべきことは、その頭のいい商品設計です。トップシェアを握るのも当たり前だなと思われる商品です。もうひとつは、この小天才という企業は、「歩歩高」(ブーブーガオ)の子会社で、歩歩高は中国のデジタルデバイス業界の大きな集団を形成しています。スマホメーカーのOPPO(オッポ)、vivo(ビーボ)も歩歩高系の企業です。

そこで、今回は、まず小天才がどのような商品で、どのような戦略を持っているのかをご紹介し、さらに歩歩高系というのはどのような集団なのかをご紹介します。

 

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