中国紡績工業連合会が服飾品の消費動向を探るためにアンケート調査を行った。将来の経済状況について楽観をしている人が多いものの減少傾向にある。2020年だけでなく、今年2022年も同規模の打撃を感じている人が多いと紡績網が報じた。
コロナ禍による服飾品の消費への影響を調査
中国紡績工業連合会は、消費者の服飾品に対する消費動向を探るため、アンケート調査を行い、「2022年消費者抽出アンケート調査報告」を公開した。
有効回答数は2427件。中国大陸すべての省、自治区、直轄市に及んでいる。今回の調査の目的は、コロナ禍の影響がどう消費に影響をするかを見極めるものだ。
収入減の影響は2022年の方が深刻
回答者のうち、男性は41.12%、女性は58.88%。専門学校、大卒以上が79.77%。年齢は25歳から50歳の現役世代が67.61%となった。
世帯収入は0.5万元から0.8万元(約16.1万円)が27%となり、最も多くなった。また、昨年と比べて収入が増えたか減ったかを尋ねると、34.07%の人が減ったと答えた。これは昨年の調査よりも17.19%ポイント増え、2021年よりも、今年2022年の方がコロナ禍による影響が深刻であることがわかる。増えたと答えた人も21.26%で、昨年と比べて12.42%ポイント減少した。ほぼ2020年と同じ水準の結果となった。
消費行動にとっては、コロナ禍による健康被害の問題よりも、予防のための地区封鎖、都市封鎖などによる生産の停止、物流の阻害などが繰り返されていることの方が大きく影響をしている。
買う場所はEC、高所得者は路面店も多くなる
服飾品を購入する場所は、例年と大きな違いはなく、ECが主要な購入チャンネルになっている。また、高収入家庭では専門店への回帰が見られる。月収4万元以上の家庭では、37.50%が専門店で購入すると回答した。
9割以上の人が知っているライブコマース
ライブコマースへの注目も高い。94.23%の人がライブコマースを知っており、18.21%の人が注目をしており、13.60%の人がライブコマースでの購入経験がある。ただし、昨年ライブコマースへの注目度が上がり、今年の数値は昨年とほぼ同じであり、ライブコマースは急速に拡大したものの、今年はやや伸び悩みの傾向が見られる。
2020年と2022年がコロナ禍による影響大
コロナ禍が収入に与えた負の影響は拡大をした。「比較的大きい」と回答した人は昨年よりも6.38%ポイント上昇し、「大きい」と回答した人は4.49%ポイント上昇し、2020年とほぼ同じ水準になった。2020年のコロナ禍が経済に大きな打撃を与え、2021年には回復をしたが、2022年になって再び2020年と同じ規模の負の影響が出ていることがわかる。
25.63%の人がコロナ禍により職を失ったと回答しており、これは昨年よりも6.71%ポイント上昇している。
現状ではリベンジ消費の機運は小さい
今年、服飾品に対してリベンジ消費をするかという問いには、76.47%の人が「しない」と回答した。現在でも小規模な地区封鎖などの措置が続く中で、まだまだ安心をして消費をする気持ちにはなれないようだ。
楽観の人が多いものの、昨年からは減少
今後の経済の見通しについては、楽観している人が39.47%、悲観をしている人が27.61%となり、楽観をしている人が多くなった。
しかし、2021年の調査では、楽観をしている人が69.27%、悲観をしている人が7.45%であり、かなり悲観に傾いた。2021年は大規模な封鎖措置がほとんどなく、人々の間にコロナ禍が終息をした感覚が生まれた。しかし、2022年3月下旬に上海市が大規模都市封鎖をおこなったのを皮切りに、各都市で地区封鎖が相次いでいる。そのため、消費マインドは2021年よりも悪化をしていることがはっきりとしたと言える。