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3000m上空の雲をスクリーンにするプロジェクター。深圳の夜空に描かれたビンドゥンドゥン

中国のプロジェクターメーカー光峰科技は、自社の技術をアピールするために、積極的にプロジェクションマッピングイベントを行なっている。2022年の元宵節には、3000m上空の雲をスクリーンにプロジェクションをすることに成功したと捜狐が報じた。

 

雲をスクリーンにする屋外プロジェクター

2022年2月15日の元宵節。旧暦の新年になって初めての満月の日であることから、提灯を飾り、団子を食べる伝統習慣だ。各地で夜に光を使ったさまざまなイベントも開催される。

その中で、深圳市南山区でのイベントが話題となった。光峰科技(グワンフォン、https://www.appotronics.com)が開発したプロジェクターで空にある雲に文字や絵を描くというものだ。

近年多くのプロジェクターで採用されているALPD(Advanced Laser Phosphor Display=先進レーザー発光ディスプレイ規格)は、2007年に光峰科技により開発され、それ以来、プロジェクター技術を進化させてきた。レーザーと蛍光を組み合わせることにより、光が拡散しないシャープなプロジェクションが行え、商業施設でのプロジェクションマッピング、業務用、家庭用プロジェクターなどの製品に活用されている。

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▲深圳の空に描かれた五輪のシンボル。

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▲プロジェクターの設置場所。地上から3000m上空の雲に向けてプロジェクションを行う。

 

上空3000m上空に描かれた北京冬季五輪マスコット

今回のイベントでは、3000m上空の雲をスクリーンにして、上空に北京冬季五輪のマスコット「ビンドゥンドゥン」を描いた。その他、五輪のロゴやさまざまなスローガンの文字などが描かれた。とても雲に描いているとは思えないシャープさで、空に図形や文字が浮いているかのようで、多くの市民が夜空を見上げることになったという。

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北京冬季五輪のマスコット「ビンドゥンドゥン」も3000m上空に描かれた。

 

プロジェクションマッピング知名度をあげた光峰科技

光峰科技は2019年には北京市の「故宮上元之夜」、深圳市の「春晩深圳会場・未来都市」などのプロジェクションマッピングを手がけている。コロナ禍により、イベントを自粛していたが、感染状況が落ちつくと、北京冬季五輪会場でのプロジェクションマッピングを行い、今回、元宵節に深圳での雲に対するプロジェクションマッピングを行った。

業界をリードするプロジェクターメーカーとして、光峰科技は今後も、機会をとらえて大型のプロジェクションマッピングイベントを行なっていく計画だ。

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▲光峰科技が北京冬季五輪ジャンプ会場で行ったプロジェクションマッピング。映像の精細度が大幅に向上している。

 

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▲2019年には、深圳市で、ビルなどにプロジェクションマッピングを行い、未来都市をつくりだした。大晦日の番組「春晩」で中継され、ド派手なイベントとして話題になった。


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▲2019年の元宵節で、光峰科技が故宮博物院で行ったプロジェクションマッピング