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ポケットにも入るワイヤレス洗濯機。キックスターターに登場

深圳のOmiSonicがキックスターターに、どんなものでも洗える超音波洗浄デバイスが話題になっている。バッテリー駆動、Bluetooth接続であるため、アウトドアや旅行にも持っていくことができ、その利便性からすでに9000個程度の予約が入っていると設計癖が報じた。

 

ポケットサイズのワイヤレス洗濯デバイス

ポケットにも入るサイズの洗濯機が話題になっている。これは超音波洗浄機で、同様の製品はいくつか発売されているが、このOmiSonicは世界で初めてのワイヤレス超音波洗浄機であり、電源コンセントの位置を考えることなく洗浄ができる。

キックスターターに登場して、目標金額の10万香港ドル(約140万円)をわずか6時間で達成。現在、約150万香港ドル(約2100万円)が集まっている。

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▲使い方はボールなどに水を入れて、OmiSonicと洗うものを入れるだけ。動作はスマホから。専用の紙状の石鹸もある。

 


OmiSonic - World's First Wireless Ultrasonic Cleaning Tool

▲OmiSonicのデモ映像。さまざまなものが洗濯、洗浄でき、胸ポケットに入るサイズであり、バッテリー駆動なので、旅行やアウトドアにも持っていける。

 

衣類や下着だけでなく、野菜やメガネ、食器も洗える

完全ワイヤレスで、洗いたいものと一緒にボウルやバケツなどの中に入れ、専用のペーパー状の石鹸を投入、スマートフォンから操作をする。

衣類や下着だけではなく、手洗い必須のセーターなどもOK。さらに、野菜や果物、食器、玩具、メガネ、アクセサリーなど多くのものが洗える。衣類であれば、最高4.4ポンド(約2kg)まで洗える。

バッテリーは3000mAh容量のものを搭載して、標準的な洗浄(0.5kgのものを30分)であれば、満充電で5回程度可能だ。また、一般的な洗濯機に比べて、水は1/15、エネルギーは1/40で同等の洗浄効果があるという。

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▲OmiSonicで洗えるもの。超音波洗浄なので、複雑な形状のものは手で洗うよりもきれいになる。

 

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▲アウトドアでは、食品を洗うことができる。

 

出張やアウトドアなど用途は広い

特に注目されているのが、旅行やアウトドアだ。胸ポケットに入るサイズなので旅行に持っていけば、ホテルで下着などを洗面台などに入れて洗うことができる。さらに、アウトドアでは鍋の中に食材を入れて洗うことができる。

価格は165香港ドル(2300円)と安く、これも人気の理由になっている。集まった資金から計算すると、すでに9000個以上の予約注文が入っていることになる。生産は2019年9月から始まり、10月から出荷が始まる予定だ。

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▲胸ポケットにも入るサイズなので、旅行やアウトドアにも気軽に持っていける。

 

キックスターター経由で、最初から世界市場を狙っているOmiSonic

このOmiSonicを開発したのは、深圳市のスタートアップOmiSonic。デビット・シュー、アンソニー・リーの2人が創業し、ここにエンジニアのマーティン・チェンが加わっている。3人は洋風の名前を持っているが、写真を見る限り中国人だ。このOmiSonicがユニークなのは、オフィスや製造拠点が深圳にあるのに、中国市場を狙うのではなく、キックスターターを使って最初から世界市場を狙っている点だ。そのため、製品情報やキャンペーン情報も中国語情報のものはなく、すべて英語情報になっている。

これはAnkerとよく似ている。Ankerの創業者は、元グーグルのエンジニアだった陽萌が湖南省長沙市で設立した湖南海翼電子商務だが、最初からアマゾンを利用し、モバイルバッテリーなどの製品をワールドワイドに販売をして成功をした。

OmiSonicが2019年10月に出荷が始まり、成功をすれば、このような「最初から世界市場」の流れが加速することになる。

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▲深圳のOmiSonicの工場。予約数は非公表だが、キックスターターに集まった資金から考えると1万個程度の注文が入っていると推定できる。