カフェで勉強する学生が、中国でも問題になっている。問題は、混雑をしてきても居座られてしまうことで、他の客とのトラブルも起こりかねない。マクドナルド中国は積極的に自習コーナーを設けることで対応をし始めたとVista氫商業が報じた。
「カフェで勉強」問題の解決に乗り出したマクドナルド
カフェやファストフードで勉強をする学生は多く、マナー違反ではないかというさまざまな議論がある。よく言われるのは、少ない注文で長居をされるということだが、店舗側はさほど気にはしていないようだ。席が空いているのであれば使ってもらってかまわないし、静かに勉強する分には周りに迷惑をかけることもないので、まったく問題は感じない。
唯一の問題は、混雑時に満席になっているのに居座られて、なおかつ、他の客からクレームが出るという問題だ。学生みずから、混雑時には利用しない、満席になったら帰るということをしてくれるのがいちばんだが、周りの様子に気づかないこともある。
中国マクドナルドは、この問題を解決した。積極的に自習コーナー「麦麦自習室」を設置したのだ。麦麦(マイマイ)は、マクドナルドの中国での愛称だ。
自習専用コーナーを設置
自習室と言っても特別な事は少なく、フロアの一定区域を区切って、無料でWi-Fiと飲料水を提供しているだけだ。利用時間は2.5時間までに制限されており、ミニプログラムなどから予約をする仕組みだ。店舗に行って、空いていればその場で予約をして利用することもできる。
利用をするには予約時に1元(約20円)が必要だが、5元のソフトクリームが無料で提供される。
現在、試験営業中で来年2024年4月末までの施策で、すべての店舗ではなく、設置可能な20店舗に限定されている。どの店舗も定員は10人程度だが、学生には好評で、どの店も予約が取りづらい状況になっている。
自習室を全国展開するための実証実験という位置づけ
この試みは、2018年から始まっている。マクドナルドは晨光文具と協働して、10都市の店舗で自習コーナーを期間限定で設置をした。2022年7月には、雲南省のマクドナルド42店舗が独自キャンペーンとして自習室を設置し、飲み物を注文してくれればおかわり無料というキャンペーンを行った。いずれも好評で、学生からは勉強する場所を提供し続けてほしいという声があがっていた。
今回の試みは、麦麦自習室を全国展開するための実証実験の意味を持っている。
他のファストフードにも広がるか
学生からは好評であるばかりでなく、店舗スタッフからも歓迎されている。混雑時に、席を長時間占有している学生がいると、他の客のために声をかけて席を譲ってもらう必要がある。しかし、店舗スタッフとしては、真面目に勉強をしている学生に対しては言い出しづらいところがあった。特に問題なのは、学生が拒否をしてトラブルになるケースだった。飲食品を購入している以上、強制的に排除することはできない。
しかし、自習室ができると、学生はわずか1元で利用ができる自習室に行くようになり、自習室が満席で、一般席で勉強する時も、混雑をしてくると自発的に席を譲る人が増えている。学生も、自習室であれば気を使わずに勉強に集中ができる。
スターバックスは、自宅とオフィスの次の空間として「サードプレイス」戦略を打ち出しているが、これはマクドナルドのサードプレイス戦略だと話題になっている。他のファストフードチェーンにも広がっていく可能性もある。