日用雑貨の問屋が集積する都市、義烏市では、夏の暑い盛りの7月にはクリスマス一色となる。世界中からクリスマス用品の買い付けにバイヤーがやってくるからだ。世界のクリスマス商品の80%が義烏市で生産されていると国際視角浅説が報じた。
夏の義烏市はクリスマス一色
浙江省義烏市には、日用雑貨品の卸業が集積をし、世界中からバイヤーがやってくる日用雑貨の街だ。中国義烏国際商貿城を中心に大規模商城が建ち並び、その中に無数の問屋が入居をし、世界中に日用雑貨を卸販売している。2021年には義烏市の輸出額は3659.2億元(約7.3兆円)にも達している。
その義烏が暑い盛りの7月にはクリスマス一色になる。7月から9月は、クリスマス関連商品の売買が盛んになる時期で、義烏は世界のクリスマス商品の80%を販売している。この時期には、世界中のバイヤーが義烏にやってくる。
今年のクリスマス商品は絶好調
クリスマス商品を扱うある店主は、今年2022年のクリスマス関連商品の売れ行きは好調で、生産が追いつかないため、8月中旬にはいったん販売を停止したという。現在は、すでに受けた注文分を出荷する作業をしている。
クリスマスオーナメントを製造している工場では、100人以上の体制で生産をしているが注文に追いつかないほどだという。6月に受けた注文だけで2000万個にのぼり、これを8月末までに出荷しなければならない。倉庫の3割はクリスマス関連商品で埋まり、みな残業をして出荷作業に追われている。
安く、品質のいいMade in Yiwu
義烏のクリスマス商品が世界中から求められるのは、その大量生産による安さだ。オーナメントボールはひとつ0.5元ほどで、クリスマスの帽子も5元ほどだ。それでいて、品質がいい。
アジア各国は世界の工場になっているが、義烏は強い競争力を維持している。日本や韓国は品質はいいが価格が高い。ベトナムは義烏よりも安く出荷できるが品質が悪い。義烏は安くて品質がいいため、玩具や日用雑貨を世界中に出荷している。海外で国産品と称して売られているものの中にも、義烏で生産され、ブランドマークだけをその国のものがつけられた製品が多く存在している。
米国のデカップリング政策、中国の人件費高騰などで、「世界の工場」はベトナムなどの東南アジアに移りつつある。しかし、まだまだ中国製品を求める人は多い。世界どこの国に行っても、ブランドは各国のものであっても、実際の製造は中国という製品に囲まれて私たちは暮らしている。