中国で超一流の大学といえば、北京にある北京大学と清華大学。国際的にも上位にランキングされる。ところが、アリババはこのような超一流大学の卒業生を雇用しないという。それはなぜなのか、今日頭条が報じた。
超一流大学卒業者は雇用しないアリババ
アリババはもはや中国を代表する企業になり、大学生の多くがアリババのような企業で働きたいと思うようになっている。ところが、アリババは、中国で超一流大学と言われている清華大学や北京大学の学生を採用していない(厳密には拒否しているわけではなく、大学に対してリクルート活動をしていない)。一方で、決して一流とは言えない曁南大学、華中科技大学、武漢郵電大学などにはリクルート活動を積極的に行っている。トップクラスではなく、二流とも言える人材を積極的に採用しているのだ。
▲アリババのオフィス。調度品などはモダンだが、全体のデザインは日本の昭和の企業を彷彿とさせる。最先端の企業なのに、中は決して最先端ではない。
学歴よりも職歴。知識よりも経験。スターよりもチーム
これはアリババのジャック・マー会長の方針だ。超一流大学の卒業生は、アリババ以外の多くの企業が欲しがる。そして、このような学生は、自分の能力や経験よりも、学歴をアピールしがちなのだ。「私は○○学と○○学を修めました。○○学も夏季セミナーで学びました」という主張は、アリババに必要ないと考えている。
知識よりも経験。できれば、他の企業で数年の経験を積んで、その経験を携えてアリババにきてほしいという。
また、企業文化として、アリババは「平凡な人間が平凡なことを積み重ねていったら、すごいものができあがっていた」を尊ぶ。1人のスターによるファインプレーよりも、全員によるチームプレーを好む。
▲社員研修会の記念写真。見てわかる通り、北京のIT企業社員にある「意識高い系」の雰囲気はまったくない。どことなく垢抜けない感じなのが、アリババの社員なのだ。一方で、仲間意識は強く、チームワークはいい。高給ということだけでなく、社風に惹かれてアリババに就職をする学生も多い。
古都から動かないユニークな企業「アリババ」
それでも大卒初任給は年約410万円と、研究職などを除いた一般職としてはきわめて高額だ。しかも、アリババは杭州市にマンションを建設していて、社員は優待割引、会社の低金利ローンを使うことで、相場の半値ほどで購入できる。
さらに、女性や高齢者も積極的に雇用するなど、中国ではユニークな採用方針を持っている。こういうところがアリババの強さの秘密なのかもしれない。
アリババの本拠地は杭州市。風光明媚な古都で、最近まで観光産業が主要産業だった。それがアリババの成長により、多くのIT企業が移転をしてきて、今やITが杭州市のメイン産業になっている。
日本の京都の企業と相通じるところがあるかもしれない。どれだけ成長をしても、東京に本社を移さない。ユニークな社風、ユニークな発想で成長を続ける任天堂や京セラといった京都の企業とアリババは共通したものがあるのかもしれない。
▲杭州市のアリババ本社。この建物の灯りが完全に消えることはない。全員が働き者で、ハードワークをしている。
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