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ハーモニーOSに対応するとクロスバイクもこう変わる。自転車もスマート時代へ

Xdsからクロスバイク「都市騎行家」が発売された。ハーモニーOSに対応していることが特徴で、ディスプレイにはナビゲーションや心拍数が表示される。ペダルにかかる圧を測定して、電力アシスト量を制御するため、人力から電力アシスト、電力自走、フィットネスバイクなど、1台で多彩なモードが楽しめるようになったと単車志が報じた。

 

中国市場での地位を確立したハーモニーOS

ファーウェイが開発をした鴻蒙系統(HarmonyOS)は、中国スマートフォン市場でのシェアが16%を超えた。以前からファーウェイは16%以上のシェアがあれば持続的な運営ができるとしており、その最初のハードルを超えた。AndroidiOSに続く第3のOSとしての地位を確立した。

ハーモニーOSの特長は、スマホOSにとどまらず、さまざまなデバイスに搭載できる汎用OSだということだ。PCやスマートウォッチに留まらず、自動車、家電製品などにも搭載できる。さらに、OSを使用するほど複雑ではないデバイスでもハーモニーOSに対応することができ、世の中のほとんどすべてのデジタル機器はハーモニーOSと連携ができるようになっている。

そのような連携を進めることで、ハーモニーOSのシェアを高めるだけでなく、さまざまな製品のスマート度を向上させていくことがファーウェイのねらいだ。

 

ハーモニーOSに対応したクロスバイク

スポーツ系自転車メーカー「喜徳盛」(シーダーシェン、Xds)は、クロスバイク「都市騎行家」を発売した。

Xdsは電力アシスト機能に関する技術に秀でたメーカーで、Pedal Boostと命名された独自技術により、都市騎行家は「人力」「電力走行」「アシスト走行」「トレーニング」の4種類のモードで走行することができる。

Pedal Boostはペダルにかかる人間の力を感知し、それに対応して電力アシストを制御するもので、カットをすれば人力モードになり、100%にすれば電力で自走するモードになる。アシスト走行ではペダルへの圧力に応じて適切な電力がアシストされるため、平地と登り坂でも、人間にとっては同じ力で進むことができる。また、室内などでスタンドを使い、ペダルに逆の負荷を与え、フィットネスバイクとして使うこともできる。

アシストで約90km、電力のみの自走で約40km走行することができる。

▲Xdsが発売したクロスバイク「都市騎行家」。電力アシストを切り替えることで、人力、アシスト、電力自走が可能。また、逆の負荷を与えて、フィットネスバイクとして使うこともできる。

▲都市騎行家の3つのモード。都市内では電力自走や電力アシストを使い、郊外では人力モード。室内ではフィットネスバイクとして使うことができる。

 

ディスプレイには心拍数も表示

ハンドル部分には小さなディスプレイがついている。ここには、速度やナビゲーションが表示されるだけでなく、心拍数が一定以上を超えるとアラートが表示されたり、電話の着信があると通知がされる。ハーモニーOSを搭載したスマホ、スマートウォッチと連動をしているからだ。さらに、スマホが鍵になる。自転車のバッテリー残量などを見ることもできる。

ナビゲーションを見ながら都市を移動できるだけでなく、心拍数のアラートに注意をしながらトレーニングをするということもでき、自転車の役割を拡張してくれる。

XdsのもつPedal Boost技術とファーウェイのハーモニーOSがもつスマート機能が結びついた。ハーモニーOSは、各製品メーカーがもつ優れた技術とスマート機能を結びつけることができ、1+1を2ではなく3以上にすることが可能になる。

都市騎行家は6999元(約15万円)で、各ECまたは全国500店舗あるXds店で発売されている。

▲ハンドル部分のディスプレイには、ナビゲーションや電話着信だけでなく、スマートウォッチと連動して心拍数なども通知される。

▲XdsはPedal Boostという技術を開発した。リアルタイムで、ペダルにかかる力を感知して、アシストすべき力を制御するものだ。アシストモードでは、登り坂でも平地と同じ感覚で走行できるようになる。