アリババを引退したジャック・マーの動向はいまだに注目の的になっている。しかし、世界中を飛び回るジャック・マーの姿に素朴な疑問を感じる人もいる。なぜ、中国のパスポートで世界中を飛び回れるかということだ。ジャック・マーは中国のパスポートを使わずに入国しているからだと策馬西風が報じた。
ジャック・マーが水産物養殖会社を創業
アリババの創業者、馬雲(マー・ユイン、ジャック・マー)の活動が活発だ。2019年にアリババのCEOを辞任し引退をしたはずなのだが、世界各国を飛び回り、オーストラリアでヨットに乗ったり、日本で買い物を楽しんだり、中国で食事をする姿がニュースになっている。さらに、7月には養殖技術を開発する「一米八海洋科技」の創業に参加した。ジャック・マーが所有する投資会社「大井頭弐拾弐号文化芸術」を通じて投資をした形だが、創業者が80%、ジャック・マーが10%の株式を所有している。
この他、洋上風力発電、洋上太陽光発電などにも興味を示し、国内外の視察を盛んに行なっているため、近々、この分野でも起業をするのではないかと言われている。
ジャック・マーは、すでに中国には「訪問する」という言葉がふさわしいほど、世界中を飛び回っている。
ジャック・マーはなぜ世界中を飛び回れるのか?
しかし、ネット民の間で素朴な疑問が拡散している。ジャック・マーはすでに国際人として活動をしているが、国籍は中国のままであり、中国のパスポートでは72の国と地域にしかビザなしまたは到着後のビザ取得で入国することができない。それも多くは東南アジアとアフリカで、多くの先進国に入国をするためには事前にビザを取得する必要がある。ジャック・マーにビザを発給しない国というのはほとんどないにしても、取得手続きには時間がかかる。ジャック・マーはどうやって、世界の国々を駆け回ることができているのだろうかという疑問だ。
ジャック・マーは国連の高官。パスポートなしで入国ができる
その答えは簡単だ。ジャック・マーは国連のパスポートを所有しているからだ。ジャック・マーはその中でも最高レベルの赤い表紙の国連パスポート(厳密にはパスポートではなく、国連職員の身分証明書)を持っていると言われる。このパスポートでは、世界224カ国にビザなしで、しかも入国検査なしで入国をすることができる。
国連は2018年7月に、世界中の政府、組織、市民団体、教育機関などがデジタル空間での協力を進める「デジタル協力」(https://digitalcooperation.org/)の組織を立ち上げ、このハイレベルパネルを招集した。その共同議長に、ジャック・マーとメリンダ・ゲイツ(ビル&メリンダゲイツ財団)の2人が指名された。これにより、ジャック・マーに最高レベルの国連の身分証明書が発給されている。
ジャック・マーは海外を飛び回り、次の事業の視察を行ったり、知人と面会をしたり、休暇を楽しんでいるが、同時に国連高官としての仕事もこなしていることになる。