あるアリババのエンジニアが匿名で、ネットに、年度末ボーナスが70万元(約1200万円)だったが不満だと投稿して、多くのネットワーカーが羨ましがったり、驚いたりしていると新浪が報じた。
月給55万円、ボーナス1200万円でも不満
問題になった投稿は、「ボーナス7ヶ月分、ベースアップ20%、株式は500株だった」というもの。「ベースアップは納得するものの、株式は昨年の半分になってしまい、失望した」と発言している。
ネットワーカーたちは、ご丁寧にもこの匿名発言者のボーナス額を計算している。匿名発言者が別の発言で、毎月の給与が3万2000元(約55万円)だと述べているので、7ヶ月分のボーナスは23万元ほどになる。さらに、500株の株式をもらえるので、アリババの株価は1000元程度だから、これで50万元。すべて加えると73万元(約1260万円)になる。
▲アリババのエンジニアが匿名で発言した内容。ボーナスが1200万円相当だったのに、失望したと述べている。
アリババの給与は階級と勤務評定で決まる
この発言者は、P7という社内階級にあると発言している。アリババのエンジニアは、P4からP14までの階級があり、P4からP6までが一般エンジニア、P7からP9までがスペシャリスト、それ以上が研究員となっている。
ネットに流出している待遇一覧では、P7は年棒が30万元から50万元、株が4年間で2400株となっている。
この発言者は、年棒38万4000元、今年からは20%増えて46万元となり、支給される株も今年の500株を基準にしても、4年間で2000株。昨年は1000株以上をもらっていたのだから、この待遇一覧ときれいに一致する。
▲ネットに流出しているアリババの待遇一覧。これによると、不満の二人の報酬もこの表の範囲内に収まっている。
ネットでは羨望、驚きの声
この発言に対して、ネットの反応はさまざまだ。年棒800万円、ボーナス1200万円で、それでも不満なのかと驚く声もある。自分もアリババ社員だと言う人は、標準的な報酬じゃないか、どこが不満なのだと首をかしげる。また、アリババは採用人員を絞り始めているので、報酬が以前ほど上がらなくなるのも仕方がないのでは?と言う声もある。
アリババという企業は成熟期に入るのか?
また、別のアリババのエンジニアが、P6の地位にいるが、4年間毎年ベースアップ率が12%以下で、株式ももらえない。新しく入ってきた同じP6のエンジニアは、自分よりも6000元も給与が多い。これが嫌なら辞職するしかないのだろうか?と発言している。こちらもネットに流出している待遇一覧の範囲内に収まっているので、法外に冷遇されているということでもない。
この二人の言いたいことは、「こんなに頑張ったのに」「勤務評定も悪くないのに」思ったほど報酬が増えなかったということなのだろう。
こういう声が少数だとは言え、ネットで見られるようになるということは、アリババも成長期を終えて、成熟期に入ろうとしていることなのかもしれない。外から見ている限り、「仕事はつらいけど、やりがいのある企業」に見えるが、社内の空気は微妙に変わりつつあるのかもしれない。
▲別のアリババエンジニアも不満を述べている。給与の上昇幅が4年も12%以下であることと、新しく入ってきた同じ階級の社員の方が給与が多いことに不満を述べている。