中華IT最新事情

中国を中心にしたアジアのテック最新事情

再び注目を集める無人小売テクノロジー。非接触と人材採用がキーワードに

まぐまぐ!」でメルマガ「知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード」を発行しています。

明日、vol. 061が発行になります。

 

2016年後半から2017年にかけて、無人コンビニ、無人スーパーが大きな話題になっているのを覚えていらっしゃるでしょうか。

最も勢いのあった無人コンビニは、繽果盒子(ビンゴボックス)で、2016年8月に第1号店が開店し、1年以内に5000店舗の展開をすると宣言をして大きな話題を呼びました。

しかし、2018年8月に40都市400店を展開したのがピークで、現在では28都市の展開(店舗数は不明)にまで縮小しています。

5000店舗展開は、リアルな計画というより、投資資金を集めるためのアドバルーンにすぎないと当初から見られていました。その華々しい計画と現在の縮小ぶりを見て、「無人コンビニはあだ花」、口の悪い人になると「投資資金を集めるための詐欺まがいのビジネス」とまで言う人もいます。

しかし、28都市とは言え、営業をしているということは無人コンビニに何かあるのではないでしょうか。今回は、まず、無人小売の利点を考えてみたいと思います。世間では、「人件費を省く」というところばかりに目が行きがちですが、実は人件費以外にもねらいがあります。

 

ビンゴボックスは、中型が4.8×2.6m、大型が6.0×2.6mというコンテナ型の店舗です。中型で500種類、大型で800種類の商品陳列が可能です。

利用をするには、まずドアの前でスマホ決済「WeChatペイ」のQRコードをスキャナに読み込ませると、ドアが解錠されます。中で商品を手にしたら、セルフレジでスマホ決済をすると、再びドアが解錠されます。商品には電子タグがつけられているので、セルフレジで簡単に精算ができる仕組みです。

店内では顔認識と画像解析機能がある監視カメラで行動が監視をされ、精算せずに商品を持ちだそうとしたり、店内で開封して食べたりすると、警告が鳴り、精算をするように促されます。

また、スマホ決済であるという点がミソで、スマホの電話番号が取得をされるので、センターから電話がかかってきます。

 

先ほども触れましたが、無人小売テクノロジーの目的は、人件費の節約もありますが、それは目的のひとつにすぎません。

その後の無人コンビニでは、他の長所も注目されるようになりました。例えば、無人であるということは24時間営業ができるということです。特にコンビニの場合、24時間営業は重要です。極論をすれば、閉店時間がないからこそ、スーパーよりも高い商品をわざわざコンビニで買うのです。日本のセブンイレブンが以前は「あいててよかった」という広告コピーを盛んに使っていたこと、現在でもいろいろな問題を抱えながら本部は24時間営業を続けようとしていることからも、24時間営業の重要さがわかります。

夜間の客数は多くなくても、閉店時間がないことから、行きたい時に行ける。せっかく行ったのに営業を終了していたという悪い体験をしなくてすむ。これがコンビニに行く習慣をつけることになり、昼間の売上に大きく影響してくるのです。ところが、深夜勤務はどこの国でも賃金を割増しなければなりませんし、年齢制限などもあります。つまり、夜間は売上は大したことがないのに、高いコストをかけなければならないのです。

これが無人であれば、人件費の増加を考えずに24時間営業が実現できます。24時間無人というコンビニもありますが、昼間はスタッフを配置して、通常のコンビニとして営業し、夜間だけ無人コンビニにするというハイブリッド型も可能です。

 

さらに、コロナ禍で「無接触」というキーワードが浮かび上がってきました。スタッフという人と接触をすることがないので、消毒をきちんと行っておけば、感染対策になるのです。この長所が再評価され、再び、無人コンビニ、無人生鮮販売所、無人ミルクティースタンド無人キッチンカーなど、無人系の店舗を運営するスタートアップが再び登場してきています。

このように、無人小売テクノロジーは浮き沈みを繰り返しながら、今に至っています。

今回は、この無人小売テクノロジーをご紹介します。特に注目をしていただきたいのが、無人小売テクノロジーのねらいは、人件費の節約だけではないということです。

 

続きはメルマガでお読みいただけます。

 

毎週月曜日発行で、月額は税込み550円となりますが、最初の月は無料です。月の途中で購読登録をしても、その月のメルマガすべてが届きます。無料期間だけでもお試しください。

 

先月発行したのは、以下のメルマガです。

 

vol.057:テック企業に蔓延する996。社会問題化する長時間労働問題

vol.058:再び成長を始めたTik Tok。テンセントのWeChatと正面から激突

vol.059:新型コロナ終息後の消費行動はどう変わったのか。5つのキーワード

vol.060:ショッピングモールの不振から見える小売業の変革。人と商品の関係性が変わる

 

登録はこちらから。

https://www.mag2.com/m/0001690218.html