中華IT最新事情

中国を中心にしたアジアのテック最新事情

自動でフタが開き、自動でゴミ袋をセットしてくれる小米のスマートゴミ箱が話題

小米(シャオミー)が発売したスマートゴミ箱が話題になっている。人を感知して自動的にフタが開くだけでなく、ゴミ袋を自動密閉、セットまでしてくれる。セール時には299元で販売されることもあり、買う価値があると資訊超人が紹介している。

 

家電製品を「再定義」していく中国のジョブズ、小米の雷軍CEO

昨年から、小米(シャオミー)のヒット商品が連続している。スマートテレビ「小米電視4」、スマートブレスレット「mi band4」などが中国やインド、アジア圏でヒットしている他、電動歯ブラシ、炊飯器など長く売れ続けるロングテール商品も生まれている。

小米の製品が売れる理由のいちばん大きなものは、従来の家電製品の設計をゼロから見直していることだ。スマートテレビでは音声アシスタントによる操作を基本にし、リモコンを極力使わない設計にする。多くの家電製品で、大きなボタンをいくつも配置するのではなく、スマートフォンから操作させるようにして、インテリアに合うミニマルデザインにする。

また、「小米有品」という直販サイトでの販売を基本にするため、価格を安く抑えることができる。

小米の雷軍(レイ・ジュン)CEOは、スマートフォンで小米が世の中に知られ始めた時、「中国の偽スティーブ・ジョブズ」と揶揄されたが、本人は日本の無印良品の企業姿勢に感銘を受けていて、家電や電子機器の世界での無印良品になりたいと公言をしている。

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▲小米のスマートゴミ箱townew。人が近づくと自動的にフタが開く。価格は369元だが、セール時には299元になることが多く、日本円で5000円以下で購入できる。

 

人が近づくだけでフタが開くスマートゴミ箱

このtownewスマートゴミ箱もよく考えられている。中国の都市では、ゴミの分別回収が厳しくなり、それも追い風になって売れているという。

このゴミ箱は、普段はフタが閉じているが、人が35cm以内に入ると自動的に感知してフタが開く。離れると閉じる。人はゴミ箱にまったく触ることなくゴミを捨てられる。

 

自動でゴミ袋を熱密着、新しい袋を自動セット

そして、ゴミ袋が内蔵されている点が、このスマートゴミ箱の最大のセールスポイントだ。ゴミ袋を交換するボタンを押すと、内蓋が開いて、ゴミ袋を熱密着して閉じる。これを捨てればいいというわけだ。

ゴミ袋をまとめてセットしておく必要があるが、人はまったくゴミに手を触れることなく、ゴミ袋の交換ができる。しかも、ゴミをあまりにいっぱいにすると、ゴミ袋が閉じられなくなってしまいそうだが、内蓋が開いてから、少しゴミ袋を持ち上げて熱密着で閉じるので、ゴミがいっぱいになっていても閉じるのに失敗をすることはほとんどない。

ゴミ箱の容量は15.5リットルで、数人の家族が1日に出す量を基準にしている。セットするゴミ袋は、1ヶ月に1回補充すればいい計算だ。また、USBによる充電が必要だが、1回の充電で約35日間動作をする。

月に一回、ゴミ袋を補充するときに、USBで充電をし、内側を洗剤で湿らせた布で拭くというお手入れをすることを想定している。

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▲ボタンひとつでゴミ袋を熱密着で閉じてくれる。フタが開き、ゴミ袋をやや持ち上げてから熱密着するので、ゴミ箱がいっぱいであっても、ゴミ袋を閉じることができる。開発時には、相当な試行錯誤をしたのではないかと思われるユーザー体験のよさを実現している。

 

ネット販売ならではの低価格もヒットの理由のひとつ

このスマートゴミ箱が売れている理由のもうひとつが、その価格だ。小米有品では、369元が標準価格になっているが、セールの時などは299元になる。このようなときに購入している人が多い。299元は約4700円。スマートゴミ箱としては決して高くない金額だ。

資訊超人もセールやクーポンで、割引価格になっているのを見つけたら、すぐに買うべきだと勧めている。