上海から西安までを結ぶ全長1490kmの濾陝高速の六安北インターチェンジ付近に取締ロボットが登場した。このロボットはガードレール上を移動し、路側帯駐車、路側帯走行をする車両を発見すると市井茶客が報じた。
ガードレール上を走る取締ロボット
この取締ロボットは、路側帯での停車、走行をした車両を発見すると写真を撮影し、4G通信で情報を警察官に送信をする。大きさは旅行用スーツケース程度で、重さは約20kg。高速道路のガードレールをレールにして、時速5kmで走行する。1回の充電で約5時間から8時間走行でき、監視範囲を自動的に往復をする。頭部には360度カメラが備えられ、これで路側帯に違法停車している車両を発見する。
警察官のスマホには、制御用のアプリがインストールされ、映像などはこのアプリに送信されるので、警察官が違反切符を切りに急行する。また、このアプリから、取締ロボットの走行などを制御することも可能だ。
▲ガードレール上を走行する取締ロボット。上部の360度カメラで違反車両を撮影する。
中国の高速道路で問題になっている路側帯走行
高速道路の発達とともに、路側帯への停車、走行といった違法行為が大きな問題になってきた。緊急車両が走行できなくなるからだ。
路側帯に停車をして、子どもに用を足させる、食事をとる、写真を撮る、休息するといった行為が日常的になっている。走行車両が追突をするという重大事故を招きかねない行為だ。
渋滞時には深刻な問題が起きる。少しでも前に行こうとして、空いている路側帯を走行する車両が出てくる。そのまま、渋滞が激しくなると、路側帯を含めて、車両がぴたりと動かなくなってしまう。こうなると、緊急車両がまったく進めなくなるという事態になる。
六安市公安局交警支隊では、パトカーの巡回などをして、路側帯の違法駐車の取り締まりを行っているが、路側帯停車の影響の大きさがまだドライバーに理解されていなこともあり、交通警察官による取締りには限界を感じていた。このため、この自動巡回ロボットを投入することになった。
▲取締ロボットは専用のスマホアプリから制御できる。違反発見の通知もスマホアプリに送られてくる。
事故時には急行してカメラで現状把握
違法駐車車両の取締だけではなく、事故時には現場に緊急車両よりも早く到着できるため、事故現場の状況を映像で本部に送信する機能もある。
また、音声を発し、光を発する機能もあるため、事故、渋滞、工事、悪天候などの場合は、音声と光で、走行車両に警告をすることもできる。
路側帯の停車は、罰金200元、減点6と意外に重い違反になる。違反摘発を行うことで、路側帯停車の危険性、問題をドライバーに認知してもらうのが目的だ。
路側帯を走行するのではなく、車両の走行に影響を与えないように、ガードレールをレールにして走行する取締ロボットは、他の高速道路でも採用されそうだ。
▲1回の充電で5時間から8時間ほど動作する。取締重点地区に運搬し、ガードレールに設置をする。